福島県議会 > 2013-03-04 >
03月04日-一般質問及び質疑(追加代表)-06号

  • "施政方針演説"(/)
ツイート シェア
  1. 福島県議会 2013-03-04
    03月04日-一般質問及び質疑(追加代表)-06号


    取得元: 福島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    平成25年  2月 定例会平成25年3月4日(月曜日) 午後1時2分開議 午後5時11分散会議 事 日 程   午後1時開議 1、日程第1 県の一般事務に関する質問 2、日程第2 知事提出議案第1号から第91号まで        付議議案に対する質疑本日の会議に付した事件 1、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第91号までに対する質疑出 席 議 員      1番 先 崎 温 容 君   2番 鈴 木   智 君      3番 丹 治 智 幸 君   4番 斎 藤 健 治 君      5番 佐 藤 雅 裕 君   6番 遊 佐 久 男 君      7番 矢 吹 貢 一 君   8番 本 田 仁 一 君      9番 椎 根 健 雄 君  10番 佐久間 俊 男 君     11番 紺 野 長 人 君  12番 円 谷 健 市 君     13番 宮 本 しづえ 君  14番 山 田 平四郎 君     15番 小 林 昭 一 君  16番 阿 部   廣 君     17番 西 山 尚 利 君  18番 勅使河原 正之 君     19番 長 尾 トモ子 君  20番 安 部 泰 男 君     21番 水 野 さちこ 君  22番 星   公 正 君     23番 宮 下 雅 志 君  24番 古 市 三 久 君     25番 石 原 信市郎 君  26番 長谷部   淳 君     27番 渡 辺 義 信 君  28番 桜 田 葉 子 君     29番 杉 山 純 一 君  30番 満 山 喜 一 君     31番 佐 藤 金 正 君  32番 柳 沼 純 子 君     33番 今 井 久 敏 君  34番 髙 野 光 二 君     35番 坂 本 栄 司 君  36番 佐 藤 政 隆 君     37番 立 原 龍 一 君  38番 宮 川 えみ子 君     39番 阿 部 裕美子 君  40番 吉 田 栄 光 君     41番 太 田 光 秋 君  42番 斎 藤 勝 利 君     43番 平 出 孝 朗 君  44番 清 水 敏 男 君     45番 甚 野 源次郎 君  46番 本 田   朋 君     47番 川 田 昌 成 君  48番 亀 岡 義 尚 君     49番 三 村 博 昭 君  50番 神 山 悦 子 君     51番 佐 藤 憲 保 君  52番 遠 藤 忠 一 君     53番 小桧山 善 継 君  54番 青 木   稔 君     55番 宗 方   保 君  56番 西 丸 武 進 君     57番 渡 部   譲 君  58番 瓜 生 信一郎 君説明のため出席した者 県       知     事  佐 藤 雄 平  君       副  知  事  内 堀 雅 雄  君       副  知  事  村 田 文 雄  君       直 轄 理 事  齋 須 秀 行  君       安全管理監(兼) 齋 須 秀 行  君       総 務 部 長  鈴 木 正 晃  君       企 画 調整部長  野 崎 洋 一  君       生 活 環境部長  長谷川 哲 也  君       保 健 福祉部長  菅 野 裕 之  君       商 工 労働部長  伊 東 正 晃  君       農 林 水産部長  畠   利 行  君       土 木 部 長  渡 辺 宏 喜  君       会 計 管 理 者  斎 藤   隆  君       出納局長(兼)  斎 藤   隆  君       原子力損害対策  鈴 木 淳 一  君       担 当 理 事       子 育 て 支 援  鈴 木 登三雄  君       担 当 理 事       企 画 調 整 部  八 木 卓 造  君       避 難 地 域       復 興 局 長       企 画 調 整 部  小 松 信 之  君       文 化 スポーツ       局     長       商 工 労 働 部  星   春 男  君       観 光 交流局長       知 事 直 轄  尾 形 淳 一  君       知 事 公 室 長       総 務 部政策監  小 野 和 彦  君 知 事 直 轄       秘書課長(兼)  尾 形 淳 一  君 総  務  部       総 務 課 長  徳 永 勝 男  君       総 務 部 主 幹  小 柴 宏 幸  君 企  業  局       企 業 局 長  森 合 正 典  君 病  院  局       病院事業管理者  丹 羽 真 一  君       病 院 局 長  佐 原 輝 一  君 教 育 委 員 会       委  員  長  境 野 米 子  君       教  育  長  杉   昭 重  君 選挙管理委員会       委  員  長  菊 地 俊 彦  君       事 務 局 長  石 本   健  君 人 事 委 員 会       委     員  今 野 順 夫  君       事 務 局 長  甲 賀   敬  君 公 安 委 員 会       委     員  長谷川 百合子  君       警 察 本 部 長  平 井 興 宣  君 労 働 委 員 会       事 務 局 長  鈴 木 千賀子  君 監 査 委 員       監 査 委 員  美 馬 武千代  君       事 務 局 長  二 瓶辰右エ門  君 議会事務局職員       事 務 局 長  今 泉 秀 記  君       事 務 局 次 長  小 椋   正  君       事 務 局参事兼  水 野 成 夫  君       政 務 調査課長       総 務 課 長  村 越 徳 也  君       議 事 課 長  山 口   浩  君       議 事 課主幹兼  野 木 範 子  君       課 長 補 佐       議事課主任主査  塚 原 隆 光  君       議事課主任主査  長谷川 利 嗣  君       兼 委 員会係長    午後1時2分開議 ○議長(斎藤健治君) ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。 △県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第91号までに対する質疑 ○議長(斎藤健治君) 直ちに日程に入ります。 日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第91号まで、以上の各案に対する質疑をあわせて行います。 通告により発言を許します。7番矢吹貢一君。(拍手)    (7番矢吹貢一君登壇) ◆7番(矢吹貢一君) 自由民主党の矢吹貢一であります。自由民主党議員会を代表し、追加代表質問を行います。 昨年12月15日、我が自由民主党は安倍晋三新政権のもと、投資や消費を喚起して経済成長につなげ、また、復興を加速させる施策を盛り込んだ過去2番目の大型補正となる総額13兆1,054億円の補正予算を国会に提出し、2月6日、成立したところであります。 今回の補正予算には、復興・防災対策の一環として、原子力避難区域等帰還再生加速事業208億円を初めとして、営農再開支援や放射能に汚染された稲わら等の処理、(仮称)福島県環境創造センターの整備事業など、本県の復興と再生に向けたきめ細かな事業が盛り込まれたところであります。 加えて、行政の縦割りを排し、復興庁がワンストップで要望を吸い上げ、被災地の現場で迅速な意思決定が行われるよう、福島復興局の権限を大幅に強化した福島復興再生総局を2月1日に発足させるなど、これまでの復興のおくれを挽回すべく、矢継ぎ早に新たな対策を講じているところであり、まさにことしが復興実行元年であります。 そこで、知事はこのような新政権の復旧・復興への強い思いをどのように受けとめ、県として今後の復興にどのように取り組んでいくのか、復興実行元年に当たっての思いについてお尋ねいたします。 次に、今議会に提案されている平成24年度一般会計補正予算案は、国の緊急経済対策等に対応するための経費を中心に予算計上しておりますが、総額で316億4,300万円の減額となっております。 そこで、2月補正予算が減額となった主な要因とその対応についてお尋ねをいたします。 次に、今後、復旧・復興に向けた取り組みの結果として、今年度の決算作業に入ることと思われますが、昨年度の決算については、国庫交付金に係る請求事務誤りなど、相次いで不適切な事例が判明し、不認定となったところであります。復旧・復興に向け全力で取り組むことが求められている中で、同じ轍を踏むようなことが絶対にあってはならないわけであります。再発防止に向けた全庁的な取り組みが強く求められるところであります。 そこで、平成24年度決算に向け、どのようにチェック体制の強化を図っていくのかお尋ねします。 次に、国の補正予算を受けて、県は今般の補正予算案で、復興のために必要な道路等の整備や老朽化対策、防災・減災に係る事業など、総額234億9,500万円に上る公共事業予算を計上しております。 これらの事業はいずれも、東日本大震災はもとより、戦後の経済成長時以降に建設された道路や橋梁、トンネルなど、国民生活と経済発展を支える基幹インフラの老朽化と脆弱さを克服し、強靱な国家を構築するために必要不可欠な事業であります。 そこで、県内インフラの老朽化と脆弱さを克服するため、県は公共土木施設の整備にどのように取り組むのかお尋ねいたします。 次に、公共事業は、着手し、完成して初めて効果が発揮されるものであります。今般の補正予算に計上されている各種事業を含む公共工事全般において、早期発注、早期着工により、いち早く効果を発揮させなければなりません。 その際、公共工事における入札及び契約事務の透明性、公正性と品質の確保に努めることは当然でありますが、本県が未曾有の大災害から早急に復興に向けてベクトルを切りかえるためにも、可能な限り手続面での改善が必要と考えます。 そこで、県は公共工事の早期発注に向けてどのように入札制度を改善していくのか尋ねます。 また、発災以降、県内の公共工事は、工事量の急増とそれに伴う建設作業員の不足を背景に入札の不調が続いております。今年度12月までの県発注工事における入札不調発生率は22.1%にも達しております。 入札不調が続くことは、復興事業のおくれや住民生活の不便に直結し、復興に水を差すものであります。スピード重視、雇用の確保、建設業者の経営安定などの視点から、早急に入札不調対策を講じる必要があると考えます。 そこで、復興事業を円滑に進めるための入札不調対策について尋ねます。 次の大きな質問の2番目は、長期避難者等生活拠点についてであります。 東日本大震災の発生から2年を迎えようとしております。この間、地震や津波で住家を失い、また原発事故の影響で住みなれたふるさとから避難されている方々は、仮設住宅などの一時提供住宅で2回目の正月を迎えました。今なお15万人余の県民の方々が県内外で避難生活を送られており、改めて被害の大きさと本県の復興への道のりがまだまだ長く険しいものであることを認識しているところであります。 とりわけ、原発事故によってふるさとを追われ、他市町村に避難されている方々は、原発の賠償、除染の効果、帰還までの道筋など、先の見通しが立たない中で不安を抱えながらの毎日を過ごされているものと思慮するものであります。 これまで長期間ふるさとへの帰還が見込めない双葉町、浪江町、大熊町、富岡町の4町では、ふるさとに帰還できるまでの間、住民のきずなとコミュニティーを維持しながら安心して生活するための拠点として長期避難者生活拠点構想を描いてきましたが、その構想は一向に具体化していないように感じております。 私は、さきの9月議会で長期避難者等生活拠点の検討のための協議会等の取り組みについて質問させていただきました。「県は役割をどのように果たしていくのか。」との質問に対して、「関係自治体、国、県で構成する長期避難者等生活拠点の検討のための協議会で必要となる制度の検討を行うとともに、部局横断によるプロジェクトチームを中心に主体的な取り組みを全力で進める。」との答弁を、また、避難者の受け入れ自治体に対する支援の考え方については、「今後速やかに個別協議を実施し、補強すべき機能や財源を確保するなどの支援を行う。」との答弁をいただきました。 あれから4カ月が過ぎました。長期避難者等生活拠点の検討のための協議会と、庁内に設置した生活拠点プロジェクトチームのこれまでの取り組みと現在の検討状況についてお尋ねをいたします。 あわせて、避難者の受け入れ自治体に対する支援の取り組み状況について尋ねます。 次に、長期避難者等生活拠点の制度設計について4点伺います。 1点目は、対象自治体についてであります。 長期避難者等生活拠点の検討のための協議会には、避難元自治体として12の市町村が参画しておりますが、このうち福島復興再生特別措置法により復興公営住宅の入居資格が特例として認められるのは、避難指示区域が設定されている自治体、つまり現時点では広野町を除く11の市町村の避難者となります。 一方、長期避難者生活拠点を独自に検討しているのは、12の市町村のうち双葉町、浪江町、大熊町、富岡町の4町であります。町外コミュニティーの規模によって、受け入れ自治体が受ける影響や対応も変わってくると思いますが、長期避難者等生活拠点の制度設計を進める上で、対象自治体の範囲をどのように考えているのかお尋ねをいたします。 2点目は、対象期間についてであります。 双葉町は去る1月4日に発表した「双葉町の道しるべ」において、帰還の目標を30年後と表明しましたが、長期避難者等生活拠点の避難期間についてはどのように想定しているのか伺います。 3点目は、住民票の取り扱いについて、国は、二重の住民登録は認められず、避難者は避難元自治体に住民登録を置いたままで差し支えないとする見解を示しております。これを受けて、知事は昨年10月に樽床前総務大臣が来県の折、居所証明の発行を要請したものと受けとめておりますが、昨年12月に総務省は、届出避難場所証明書の発行について制度化し、2月から順次避難元自治体が証明書を発行することとなりました。 そこで、この証明制度は長期避難者等生活拠点での避難期間を通して継続をされ、長期間にわたり住民票が移動されないことを想定しているのか、県の考えを尋ねます。 4点目は、財源補填についてであります。 住民票の取り扱いは、住民税の課税の問題にも密接に関係してまいります。現在、避難者の受け入れに要する経費については、基本的に国から受け入れ自治体に対して特別交付税により補填されております。しかし、受け入れに要する全ての経費が補填されているわけではなく、原発被害者特例法などに基づき、受け入れ自治体が提供している行政サービスに係る職員人件費などについては、その所要額を正確につかむことは困難であるため、財源補填は受けられないわけであります。 そこで、長期間住民票を移動しない場合、受け入れ自治体の負担が長く続くことになると思いますが、県の考えとその対応策について尋ねます。 次に、長期避難者生活拠点の主要な機能である復興公営住宅についてであります。 現在も仮設住宅等で不自由な生活をされている原発避難者の方々の住環境を改善するため、1日も早い復興公営住宅の整備が求められております。当局では、平成25年度新たに県営で1,000戸、避難自治体の代行整備として500戸の整備を予定し、本年度はモデル的に500戸の整備を進めるため用地の調整を図るとともに、現在、建設予定地の近隣住民の方々への説明会を進めているとのことですが、今後の整備スケジュールや用地確保の考え方、入居者の募集方法についてお尋ねをいたします。 また、復興公営住宅の入居者が安心して生活を送るためのソフト対策についてお尋ねをいたします。 次に、避難者の受け入れ自治体で生じている課題への対応について4点伺います。 受け入れ自治体の中でいわき市は、双葉郡と隣接し、気候や風土も類似していることから避難先として同市を希望される方々が多く、最も多い2万4,000人もの避難者を既に受け入れております。居住者の急激な増加は、同市にさまざまな課題を生じさせており、その1つが仮設住宅周辺の道路の混雑であります。 仮設住宅が集中している地区周辺の幹線となる県管理道路の交通渋滞は顕著で、朝晩の通勤通学に支障が出ており、周辺住民の生活環境に大きな影響を与えております。特に、県道小名浜平線から中央台仮設住宅に入る交差点の渋滞が著しく、早急に効果のある対策が必要と考えます。 そこで、県は道路管理者として県道小名浜平線中央台仮設住宅入り口交差点の交通渋滞にどのように対応するのか尋ねます。 2つ目は、いわき市の新病院の整備についてであります。 いわき市は、震災前から医師不足の状況にありましたが、原発事故によって医師の確保がさらに困難となるとともに、医療施設の被災などもあり、今まさに住民が安心して生活できる地域医療の確保が求められております。このような中、双葉郡などからの避難者の受け入れに伴い、仮設住宅周辺の診療所を初めとして市内の医療需要が増加しており、量的にも質的にも医療体制の充実強化を図る取り組みは不可欠であります。 こうしたいわき市の地域医療の現状を踏まえ、医療従事者の確保や浜通り地方の医療の中核を担う新病院整備を初めとした地域の医療体制の再構築に要する財源の確保について、県や市においては国に対する要望を重ねてきたところであります。 そこで、いわき市が進める新病院の整備に対する支援について県の考えを尋ねます。 3点目は、雇用の創出であります。 長期間帰還できない避難者の方々が避難先で生活を再建していくためには、安定した雇用の確保が必要となります。しかし、避難者の多くを受け入れているいわき市もみずから被災しており、市民の雇用機会の確保とあわせて、避難者の方々の雇用の場を創出することがこれまで以上に求められております。 そこで、いわき市全体の雇用拡大に向けて、どのように企業誘致に取り組むのか、県の考えを尋ねます。 また、県は復興工業団地の第1弾として、いわき四倉中核工業団地第2期区域の約25ヘクタールを整備するため、福島復興再生特別措置法に基づき、用地の3分の2を所有する中小企業整備機構から無償譲渡を受け、基本設計と周辺調査に入るとのことですが、造成と関連するインフラを一体的に整備していくべきと考えます。 そこで、いわき四倉中核工業団地第2期区域について、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 4つ目は、住民感情についてであります。 長期避難者の受け入れに伴う諸課題については、これまでもさまざまな形で取り上げられており、当局においても十分認識しているものと存じます。しかしながら、当事者である国や県からは、長期避難者生活拠点について何の情報も発信されず、報道ばかりが過熱した結果、いわき市においては「被災者帰れ」との落書きがされたり、仮設住宅に駐車中の乗用車がいたずらされるなどの事件が起こるまでになっています。このような事態を招いた一因は、県のスピード感のなさ、主体性のなさにあるのではないかと考えます。 そこで、県は、長期避難者受け入れ自治体で生じているあつれき解消に向け、どのように取り組んでいくのか尋ねます。 次に、長期避難者等生活拠点の制度設計についてであります。 昨年10月に公表された大熊町の住民意向調査の結果によりますと、町への帰還を希望する町民の割合は11%にとどまっており、時間の経過とともにふるさとへの帰還の思いが薄れてきているように感じます。先の見通しがない中では、避難者はもとより、受け入れ自治体の住民も将来への不安や不満が高まるのも当然と思われます。 避難元自治体のきずなの維持、受け入れ自治体における諸課題の解消、住民間の融和を促進するため、長期避難者等生活拠点の制度設計を早急に構築すべきと思いますが、県の考えをお尋ねをいたします。 次の大きな質問の3番目は、震災以後の漁業に係る経過と現状についてであります。 東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波により、県内では漁港や魚市場などの施設、漁船、漁具等に多大な被害がもたらされました。その後、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、平成23年3月15日には、福島県漁業協同組合連合会では、本県沿岸域での操業自粛を決定いたしました。 さらに、4月4日、東京電力福島第一原子力発電所から低レベル放射性廃棄物が海洋に放出された影響もあり、現在でも本県沿岸域の魚介類の一部から食品衛生法の基準値を超える放射性物質が検出されており、操業自粛が今もなお継続している状況にあります。 一方、カツオやサンマなどの回遊性魚種については、福島県沖から遠く離れた海域で漁獲されるため、放射性物質の影響はほとんどなく、震災後から継続して漁が行われております。こうした中、相馬双葉漁業協同組合では、平成24年6月から相馬沖において、安全性が確保される魚種を対象に小規模な操業と販売を行う試験操業を開始しています。 また、いわき市漁業協同組合では、魚介類の放射性物質の状況等から、試験操業の開始には至っていないものの、同組合の試験操業検討委員会において、本年9月の試験操業開始を目途に検討が始まっていると伺っております。 本県の漁業は、地震と津波による甚大な被害に加えて、回遊性魚種の風評被害や沿岸海域の操業自粛の継続など、原発事故に伴う放射性物質の影響により復興を困難なものとしております。 そこで、知事は漁業の本格的な復興に向け、どのように取り組んでいく考えなのかお尋ねいたします。 次に、東京電力株式会社はことしの1月24日、原子力規制委員会特定原子力施設リスク評価検討会において、福島第一原発でふえ続けている放射性物質を含んだ汚染水を処理装置で法令に定めた濃度未満に処理し、関係者の合意を得ながら放出するとの方針を明らかにしました。このことに対し、漁業者は「漁業再開の道が絶たれる。」と厳重抗議を行っており、東電側は「関係省庁や漁業者の了解なくして行わない。」との新聞報道がありました。 そこで、東京電力が福島第一原子力発電所の汚染水を処理後に海洋に放出すると報道されていますが、県はどのように受けとめているのかお尋ねいたします。 次に、魚介類の放射性物質モニタリングについては、漁業者の協力を得て、県が緊急時環境放射線モニタリングとして毎週約150検体を検査・公表するとともに、各漁業協同組合に対し、試験操業対象魚種検討のための情報提供などを行い、支援していると伺っております。このうちカツオ、サンマなどの回遊性魚種については、出荷制限がかかっていないことから、本来検査は不要でありますが、安全確保や風評の払拭、出荷先等の求めなどから、自主検査が必須となっている状況にあります。 自主検査は、県などから貸与された検査機器により、各漁協の職員みずから検査を行っている状況ですが、試験操業の増加や回遊性魚種の水揚げに伴い、検査機器や人員等に不足が生じることが想定されるところであります。今後、水産物に対しても、県が導入した米の全袋検査のような徹底した検査が求められると考えます。 そこで、今後の試験操業対象魚種拡大等に対応するため、魚介類の放射性物質の検査体制をさらに充実させる必要があると思いますが、県の考えをお尋ねします。 次に、平成24年5月、小名浜に初水揚げされたカツオが首都圏の消費地市場において、同じ海域でとれた他の産地産と比較して価格が下落したり、県外籍船の本県への水揚げが敬遠されたことがありました。また、贈答用の生鮮水産物や水産加工品が返品されるなど、水産物の風評が続いております。 そこで、県産水産物や水産加工品の風評払拭に県は今後どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、今後試験操業の増加や操業の再開に向け、被災した魚市場等の水産関連施設の早期復旧は不可欠でありますが、本県では、放射性物質という目に見えない深刻な海洋汚染の影響により、沿岸海域での操業自粛を継続せざるを得ないなど、他の被災地とは異なる事情があります。 このため、水産関連共同利用施設の復旧・復興に係る支援措置については今後とも継続していく必要があると思いますが、県の考えを尋ねます。 また、今回の津波による大きな教訓は、津波が来たなら直ちに高台へ避難するということでした。いわき市内の漁港を見て回ったところ、特に久之浜漁港において、背後に崖が迫っており、また避難経路が長いことから、背後の高台へできるだけ早く避難できる避難路の整備が必要と感じました。 そこで、久之浜漁港の避難路整備についてどのように進めていくのか尋ねます。 次に、本県沿岸海域での操業を自粛してから2年が経過しようとしていますが、一部の魚種について試験操業が始まっているものの、本格的な操業再開についてはまだ見通しがつかない状況にあります。今後、本格的に漁業を再開し、復興していくためには、高齢化が進む漁業者の生産意欲の維持や後継者の育成を図るなどの対策を講じなければ、本県水産業は衰退の一途をたどることにならないかと危惧するところであります。 そこで、本県の水産業が継続発展するためには、漁業担い手の育成が重要であると考えますが、県はどのような対策を講じていくのかお尋ねします。 最後の大きな質問の4番目は、沿岸排水機場の現状についてであります。 東日本大震災により、いわき市の海岸部はおおむね50センチから70センチ地盤沈下したと言われております。その影響で水位が上昇し、各排水路の水が滞留状態となり、地元で言う「つっかえ水」状態が恒常化しております。そのため、晴天時でもポンプを稼働しなければならない状況にあり、また高潮など海の影響を非常に受けやすくなっております。 そのため、運転操作員は常に天候と潮の干満と排水路の確認のために深夜、早朝を問わず機場に行かなければならない状態にあり、心理的、物理的な拘束時間も長く、大変苦慮しております。夏井川水系の河口部沿いの4機場は、排水機場が設置された当初計画の状況からは大きく変わっており、排水系統や排水機能などの抜本的な見直しが必要であると考えます。 そこで、県は地盤沈下したいわき市の沿岸部の排水機場の機能向上に向けてどのような対策を講じていくのかお尋ねします。 以上で私の追加代表の全てを終了いたしました。当局の明快なる答弁を期待し、御清聴に感謝を申し上げ、降壇いたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(斎藤健治君) 執行部の答弁を求めます。    (知事佐藤雄平君登壇) ◎知事(佐藤雄平君) 矢吹議員の御質問にお答えいたします。 復興の取り組みについてであります。 安倍新内閣の発足から2カ月余りが経過し、この間、予算フレームの見直しを初め本県の要望がおおむね反映された補正予算及び新年度予算案の編成、現場主義と復興体制の一元化を目的とした福島復興再生総局の設置などスピード感を持った対応に、福島再生に向けた強い決意を感じているところであります。 福島県といたしましても、東日本大震災から丸2年となる今月11日には、従来の復旧・復興本部体制を充実強化した新生ふくしま復興推進本部を立ち上げ、事務局の総合調整機能の強化、国・市町村対応窓口の一元化などにより、全庁一丸となって復興・再生を推進する体制を整備することといたしました。 この新たな推進本部のもと、年度目標の設定とその進行管理を初め総合計画等の各種計画の一体的な推進、さらには積極的な情報発信などに取り組むことにより、ことしが実行の年として県民が復興を実感できるよう、広域自治体としての役割を十分発揮して復興への歩みを一段と加速させてまいります。 次に、漁業の本格的な復興に向けた取り組みについてであります。 福島の海は全国有数の豊かな漁場であり、私は、本県産業の重要な柱である水産業は後世に継承すべき産業であると考えていただけに、甚大な被害を受けた漁港や漁業が自粛を余儀なくされている現状は痛恨のきわみであります。 現在、漁業関係者が一丸となって、試験操業が対象魚種や操業海域を拡大しながら進められており、その成果を大いに期待しているところであり、県としても本格的な漁業復興に向けてあらゆる対策を講じてまいる考えであります。 そのため、現在見直しをしている福島県農林水産業振興計画において新たに水産業の活性化プロジェクトを重点戦略に位置づけ、漁港、漁船、漁業施設等の迅速な復旧、漁業再開に向けた試験操業の拡大促進、モニタリング検査体制の充実、漁業担い手の育成・確保のための漁業技術研修の実施、さらに、つくり育てる漁業の拠点となる水産種苗研究・生産施設の早期復旧など、将来にわたり夢と希望の持てる水産業を力強く復興・再生していくため、全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。    (総務部長鈴木正晃君登壇) ◎総務部長(鈴木正晃君) お答えいたします。 2月補正予算の減額につきましては、防災緑地や復興公営住宅の整備、県有施設の除染など、復旧・復興に係る事業において、関係団体等との調整による計画の見直しや年度間調整などに伴い、今年度の事業費を減額したことが主な要因となっております。 今後は、事業推進に係る諸条件の整備を進めながら、基金に繰り戻した財源の活用とあわせ、国からの交付金等の確実な確保に努め、速やかに事業を実施してまいる考えであります。 次に、平成24年度決算に向けた取り組みにつきましては、各部局での相互チェックの徹底や収入支出状況の適時確認を行うとともに、決算見込み時においては、総務部、出納局との連携のもと、現計予算額と決算見込み額との乖離に対する確認作業を強化し、課題発生時には情報共有と迅速な対応に努めるなど、チェック体制の充実強化を図ってまいります。 次に、公共工事の早期発注につきましては、現在、緊急を要する災害復旧工事等において随意契約により速やかに対応しており、来月から復興工事等において新たに総合評価方式の特別簡易型を活用することにより、これまでどおり地元企業の受注機会の確保にも配慮しながら入札手続の迅速化を図ってまいる考えであります。 次に、入札不調対策につきましては、これまでも各種の対策を講じてまいりましたが、新たに来月から復興工事における共同企業体について対象工事金額の引き下げや配置技術者の専任要件の緩和を行うほか、入札時の提出書類の簡素化を図るなど、応札しやすい環境を整えてまいる考えであります。 また、適時適切な設計単価の改定や建設資材の需給調整に努めるほか、より柔軟な工期の設定など、施工確保対策に取り組んでまいります。    (生活環境部長長谷川哲也君登壇) ◎生活環境部長(長谷川哲也君) お答えいたします。 福島第一原発の汚染水対策につきましては、中長期ロードマップにおいて「海洋への放出は関係省庁の了解なくしては行わない。」と明記されており、その方針に基づいて確実に取り組まれるものと考えております。 県といたしましては、国及び東京電力に対し、地下水バイパスによる流入抑制や遮水壁の設置等の汚染水対策を迅速かつ着実に実施するよう引き続き求めてまいります。    (保健福祉部長菅野裕之君登壇) ◎保健福祉部長(菅野裕之君) お答えいたします。 いわき市の新病院整備につきましては、昨年度策定した浜通り地方医療復興計画に基づき、現在、新病院の設計費等に対する支援を行っております。 今般、国の地域医療再生臨時特例交付金の追加交付が決定されましたことから、先月、第2次浜通り地方医療復興計画を策定し、その中に医療需要に応じた医療体制の強化対策として新病院整備に対する支援の拡充を盛り込んだところであり、今後とも引き続き必要な支援を行ってまいる考えであります。    (商工労働部長伊東正晃君登壇) ◎商工労働部長(伊東正晃君) お答えいたします。 いわき市全体の雇用拡大に向けた企業誘致につきましては、新たな産業用地の確保を図るため、いわき四倉中核工業団地第2期区域の整備に取り組むこととしたところであり、引き続き、企業立地補助制度や課税特例措置等を最大限活用しながら、今後の成長が見込まれる再生可能エネルギーや医療関連産業等の誘致に向け、国やいわき市と連携して取り組んでまいる考えであります。    (農林水産部長畠 利行君登壇) ◎農林水産部長(畠利行君) お答えいたします。 試験操業の拡大に対応した魚介類の放射性物質の検査体制につきましては、現在、漁協に配置した簡易分析装置と水産試験場のゲルマニウム半導体検出器により安全性を確認しているところであり、検査技術の向上や測定時間を短縮できる方法を導入するなど、検査体制の効率化を図ってまいりました。 今後は、対象魚種拡大等に対応するため、検査の一層の効率化を図るとともに、国や漁業団体等と連携し、迅速に検査できる非破壊型検査機器の導入を促進してまいる考えであります。 次に、県産水産物や水産加工品の風評払拭につきましては、「ふくしま 新発売。」プロジェクトにおいてわかりやすい情報発信に努めるとともに、本県農産物等の風評対策のための基金を活用し、試験操業の進捗に合わせて、新たに首都圏の水産市場関係者を招いた産地交流会や量販店における安全・安心に関する消費者への説明会などを通じて、県産水産物等の信頼の確保に積極的に取り組んでまいります。 また、県漁連による全国キャラバン隊や市町村、漁協等が行うPR活動を支援するなど、県産水産物等の風評の払拭を図ってまいります。 次に、共同利用施設の復旧・復興につきましては、これまで国の事業を活用し、漁協や水産加工組合等が実施する製氷施設の整備や加工機器の導入などを支援してまいりました。 しかし、本県ではいまだに帰還できずに生産基盤の復旧に至らない漁業地区もあることから、今後も被災施設の早期復旧に向け、漁業関係団体が支援措置を継続して受けられるよう国に対して強く要望してまいる考えであります。 次に、漁業担い手の育成につきましては、これまで漁協青壮年部等が行う水産加工品の試作や水産物の直売活動など、所得向上に向けた取り組みを支援してまいりました。 本県水産業の再生のためには一層の担い手育成が不可欠であることから、新年度においては、青年漁業者や漁業後継者が最新の航海技術や効率的な漁労技術等を習得するための研修会を開催するなど、実践力のある漁業担い手の育成強化に努めてまいる考えであります。 次に、地盤沈下したいわき市沿岸部の排水機場につきましては、洪水被害を防止することにより農業生産の維持や農業経営の安定を図るとともに、県民の安全な生活環境を確保する上で重要な施設となっております。 このため、今後、いわき市や関係土地改良区と協議しながら、機能向上に向けた通常時における排水の自動運転化や水位通報システムの導入などについて検討してまいりたいと考えております。    (土木部長渡辺宏喜君登壇) ◎土木部長(渡辺宏喜君) お答えいたします。 公共土木施設につきましては、建設から長期間経過する施設への対応や大震災等を踏まえた社会基盤の整備が重要な課題となっていることから、現在策定中の県土づくりプランにおいて、安全で安心できる生活環境の確保を第一の柱に掲げたところであります。 このため、施設の長寿命化を図るための計画的な維持管理や適切な更新を行うとともに、自然災害等に備え、橋梁などの耐震化、生活圏をつなぐ道路ネットワークの充実強化等に取り組み、公共土木施設の安全性と信頼性をさらに高め、災害に強く、活力に満ちた県土づくりを進めてまいる考えであります。 次に、県道小名浜平線の中央台入り口交差点につきましては、これまでに渋滞状況の実態調査を行った結果、小名浜方面から仮設住宅方面へ右折する車両の増加が渋滞の主たる要因となっていることから、交通誘導や交差点改良など、ソフト・ハード両面から対策を検討したところ、右折車線を増設する方法が有効であるため、速やかに交差点改良工事に着手し、渋滞の改善を図ってまいる考えであります。 次に、久之浜漁港の避難路整備につきましては、いわき市が策定を進めている津波避難計画との整合を図りながら、漁港背後の高台へできるだけ早く安全に避難するためのスロープ等の整備を計画しております。 現在、漁協など地元関係者と協議を進めながら調査設計を実施しており、平成25年度内の完成を目指し、整備を進めてまいる考えであります。    (企業局長森合正典君登壇) ◎企業局長(森合正典君) お答えいたします。 いわき四倉中核工業団地第2期区域につきましては、用地の無償譲渡の前提となる特別措置法に基づく重点推進計画について現在国と協議中であり、その早期認定を目指しているところであります。 また、新年度には基本設計と各種調査に着手し、地元自治体等との十分な連携のもと、区画規模、道路などの関連公共施設、概算事業費等の検討を行うとともに、積極的な企業誘致に取り組んでまいる考えであります。    (原子力損害対策担当理事鈴木淳一君登壇) ◎原子力損害対策担当理事(鈴木淳一君) お答えいたします。 長期避難者受け入れ自治体で生じているあつれきにつきましては、避難者はなれない環境の中で生活や健康に不安を抱えながら暮らしている一方、避難先においては、居住人口の増加による道路や医療機関の混雑、住宅事情の逼迫等を背景として、避難先住民との間に複雑な感情が生じているものと認識しております。 このため、交通渋滞の解消、医療従事者や住宅の確保、さらには住民同士の交流の促進など、諸課題の解決に向け、国及び関係市町村等と一体となって取り組んでまいる考えであります。    (避難地域復興局長八木卓造君登壇) ◎避難地域復興局長(八木卓造君) お答えいたします。 長期避難者等生活拠点の検討会につきましては、昨年9月22日に復興大臣、知事、関係市町村長による協議会を開催し、復興公営住宅の先行整備とこれからの整備の進め方等について了承を得たところであります。 県といたしましては、これまで県内各方部において、関係自治体や国との間で地域の実情を踏まえた具体的な協議を重ね、課題を整理してきており、各自治体に共通する根幹の課題解決に向け、新年度の早い時期に協議会を開催するよう国に申し入れをしているところであり、今後とも県が主体性を持って取り組んでまいります。 次に、プロジェクトチームにつきましては、昨年9月6日の発足以降、居所証明など長期避難に伴う課題の検討や復興公営住宅の個別の相談・協議を行ってきたところであり、居所証明については、2月1日より順次各自治体において手続が開始されております。 現在、復興公営住宅におけるコミュニティーの維持や健康対策などのソフト対策及び受け入れ自治体への支援策などについて検討中であり、安心して生活できる生活拠点の整備に向けて、全庁一丸となって着実に取り組んでまいります。 次に、受け入れ自治体に対する支援につきましては、受け入れ自治体の機能強化やそのための安定的な財源の確保等、必要な措置を国に対し強く要望してきたところであり、国において、復興公営住宅受け入れ自治体の基盤整備等に主眼を置いたコミュニティ復活交付金を創設し、新年度予算に503億円が計上されました。 今後とも、受け入れ自治体と連携して、この新たな交付金の効果的な活用を検討するとともに、必要とする支援策について部局横断により対応してまいります。 次に、対象自治体の範囲につきましては、福島復興再生特別措置法に基づき、避難指示により避難されている方々が復興公営住宅の入居対象となります。 このため、既に避難指示が解除されている地域の住民は対象になりませんので、現時点では、田村市、南相馬市、川俣町及び川内村の避難指示が出ている区域並びに楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村及び飯舘村の全域の計11市町村が対象自治体になると考えております。 次に、生活拠点での避難期間につきましては、避難指示が解除され、除染やインフラの復旧を初めとする生活環境が一定程度整うまで避難を継続せざるを得ず、またそれぞれの避難区域の被災状況により、各自治体の避難期間も異なるものと考えております。 県といたしましては、生活拠点の整備を急ぐとともに、1日も早い帰還に向けて、除染の徹底など環境回復のための早急な対応を国に強く求め、インフラの復旧、商店の再開、医療、介護福祉、教育など、総合的な生活環境の整備に部局横断により迅速、丁寧に取り組んでまいります。 次に、居所証明につきましては、避難者の避難中における民間契約等の際に支障が生じていたことから、居所について公的信用力を高めるため、緊急に国に要望し、対応策として講じられたものであります。 避難生活が長期間になると、納税、選挙、行政サービスにおいて支障が生じることも想定されることから、県といたしましては、避難が長期にわたる場合の対応について、明確な方針を示すよう国に求めているところであります。 次に、長期間にわたる受け入れ自治体の負担につきましては、現在、課税と行政サービスの提供との乖離について特別交付税で補填されておりますが、今後とも、受け入れ自治体に対するさらなる財政支援について、受け入れ自治体と密接に連携しながら、必要な対応策について国と協議してまいります。 次に、復興公営住宅の整備につきましては、今年度先行して取り組んでいる500戸について新年度早々に建設に着手することとしており、加えて今後の整備分についても、入居者の生活利便性等に配慮するとともに、受け入れ自治体のまちづくり計画に適合するよう、用地の確保、造成、設計など整備に向けて進めてまいります。 さらに、入居者の募集方法につきましては、コミュニティーの維持等に配慮しながら、具体的な内容について関係自治体と十分協議してまいります。 次に、ソフト対策につきましては、入居者が何よりも安心して生活できる環境の整備が必要であると考えております。 このため、県といたしましては、外部有識者を交え、部局横断による検討を進めてきたところであり、孤立化を防止し、受け入れ地域での融和を基本として、住民同士が互いに理解し、支え合えるような交流の場の確保を初め健康の維持、生きがいづくり対策、通院、通学、買い物などにおける交通手段の確保など、さまざまなソフト対策を実施する考えであります。 次に、生活拠点の制度設計につきましては、それぞれの受け入れ地域の実情を踏まえた上で、各生活拠点に共通の課題については、一定の基準として制度設計が必要であると考えております。 このため、県といたしましては、受け入れ自治体行政サービス機能の補強、費用負担を含めた財政支援、復興公営住宅入居の基本的な要件などについて早急に示すことができるよう、課題解決に向け、関係自治体と密接に連携しながらしっかり国と協議してまいります。 ○議長(斎藤健治君) これをもって矢吹貢一君の質問を終わります。 通告により発言を許します。49番三村博昭君。(拍手)    (49番三村博昭君登壇) ◆49番(三村博昭君) 民主・県民連合議員会、三村博昭であります。25年2月定例会において、追加代表質問の機会を得ましたことに感謝いたします。 過般、佐藤知事入院の報道に県民の多くは大変心配したところであります。報道から2週間後でありましたか、議会東玄関階段で「こんにちは。大変心配かけてしまって。」と元気な声で挨拶をいただきましたが、声も足取りも元気そのもの、そのお姿を見てほっとしたところでありました。 今後も復興・再生に向けて多事多難な県政運営が続きます。体調管理に留意され、美しく、魅力と活力にあふれる「ふくしま」を取り戻し、後世に引き継ぐため、激務に挑戦していただくことを御期待申し上げます。 さて、平成の時代を迎えて四半世紀、これまでの24年間、平成という年号が持つ意味合いとはかけ離れた波瀾万丈の時代の流れでありました。バブル経済の形成は、地方を豊かにしたような錯覚に陥りました。地価の高騰、住宅建設ラッシュ、膨大な公共建設事業、個人も法人も公共団体なども借金に借金を重ねての経済的豊かさの中にありました。 本県においても、福島空港の開港や福島空港道路の建設、国体やうつくしま未来博の開催など、21世紀の福島県の活力、そしてさらなる発展を見据えて大型プロジェクトが実施されました。 その後、バブル経済の崩壊によって借金だるまに陥った個人も法人も公共団体も、さらには金融機関、証券会社に至るまで、さまざまな分野に暗黒の影が差し込みました。 平成の大合併は、自治体を大きく変えました。国家的経済危機が続く中、阪神・淡路大震災、そして中越沖地震、平成10年8月、8.27豪雨災害を初めとする甚大な自然災害に見舞われ、またリーマン・ショックから世界同時不況、その傷が癒えないうちに3.11の東日本大震災に見舞われ、同時に発生した原発災害は、美しさを誇る県土のさらなる発展を目指す県政を混乱させ、福島の未来までも不安に陥れました。 68年前、私たちの先人は、どん底の生活にありながらも戦後の復興に取り組み、それをなし遂げました。背景は異なりますが、私たちは先人からのさまざまな教訓を生かし、未来への責任を果たさなければなりません。 まずは、本県の復興・再生における最大の課題は、文明の落とし子である放射能との戦いでありましょう。未来を担う子供たちの健全な成長と全ての県民の健康な生活は、放射能がない環境を取り戻すことにあります。「僕は大人になれますか。」との少年の叫びに、県政は総力を挙げて応えなければなりません。 そこで、知事にお尋ねいたします。 知事は、平成の本県の歩みをどのように認識し、未曽有の災害に見舞われた本県の未来をどのようにして創造し、引き継いでいくのか、そのお考えをお尋ねいたします。 次に、平成25年度当初予算総額は1兆7,319億7,000万円が計上されました。これら財源のうち県税収入についてお尋ねいたします。 前年度当初予算における税収は1,602億円、本年度税収は200億円増の1,802億円としております。県税収入の増加は復興事業の進展を反映したものと、その理由が説明されました。また、不安要素として景気動向が不透明としております。 復興事業の進展が税収増に反映し、本県財政運営に影響を与えており、特に法人事業税にあっては、対前年度当初比52%増、110億円の増収で322億円となっております。背景は、民間の住宅建設、立地企業などの設備投資や復旧・復興にかかわる公共事業によるものと推測するところであります。 復旧・復興における県発注公共事業費は過去に例を見ない規模の予算でありますが、これらの事業の実施において、受注者が県内であるか県外であるかは県税収入に与える影響は大きいものがあります。個人住民税や自動車税など、他の県税収入に期待が持てない状況にあり、県発注の復旧・復興にかかわる公共事業は貴重な税財源となるものであります。 そこで、財源確保が厳しい状況にあることに鑑みて、災害関連事業は貴重な税源と認識し、公共工事の発注に当たっては、県内事業者に配慮し、県税収入の確保につなげるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 また、現時点での平成24年度における県発注工事にかかわる県内業者の受注率及び契約総額についてお尋ねいたします。 次に、平成24年度2月補正予算についてお尋ねいたします。 平成24年度予算累計額は、316億4,300万円を減額して1兆8,016億2,500万円としたところであります。予算減額の内容は、公共事業182億1,200万円、うち災害復旧事業で167億4,700万円等となっております。 また、県単公共事業で400億7,200万円、合計582億8,500万円であります。土木関係事業で562億円余、農林水産関係事業で20億円余の事業費の減額であります。減額の理由は、復興交付金事業全体計画及び年次計画の見直し、また、代行事業にかかわる市町村要請状況、県営復興公営住宅整備にかかわる事業進捗状況に応じ、今年度事業費を減額するとしております。 3.11以降の公共事業は、本県の災害からの復旧・復興に極めて重要な事業でありますが、復興予定期間10年の初期において全体計画の見直しや年次計画の見直しを行わなければならない事情には何があったのか。 本県は、健全財政を進める中で大幅な職員の削減を実施してきました。当然ながら執行体制は縮小されていることから、1兆8,000億円を超える予算の執行は困難な状況、つまり執行体制が計画の実施に追いつかない現実があるのではないかと思うのであります。 防災緑地事業の減額の具体的理由には、事業面積や盛り土量等の全体計画及び年次計画の見直しなどがありますが、これらは事業の根幹をなすものであります。今後の復旧・復興の実現への影響や期間の延長につながるのではないかと懸念するものであります。 そこで、防災緑地計画の見直し及び事業費の減額は復旧・復興の計画にどのような影響を及ぼすのかお尋ねいたします。 また、農林水産関係事業費の減額は復旧・復興の計画にどのような影響を及ぼすのかお尋ねいたします。 また、復興公営住宅整備促進費の250億円余の減額は被災県民の期待を損なうことになると思われます。そこで、その減額の理由についてお尋ねいたします。 さらに、復興公営住宅整備促進費の減額の影響と、県民に寄り添った今後の対応策をお尋ねいたします。 また、かつての炭鉱住宅のような長屋建ての住宅には、これまでの集合住宅よりも、隣人同士がお互いに配慮し、支え合いながら生活しやすい環境があったのではないかと考えます。 そこで、復興公営住宅は障がい者への配慮や高齢者の孤立化の防止の視点なども取り入れた住宅とすべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 また、事業量と予算額から見ると、職員の業務遂行に限界を来していると思われます。現状として、体調を損なう職員が多数出ていると聞き及んでおりますが、復旧・復興事業の円滑な執行のため、職員の健康管理、職場環境の整備及び今後の定員管理にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、歳入予算のうち、県債についてお尋ねいたします。 25年度における県債は1,447億6,000万円計上されているところであります。一方、歳出における公債費は1,346億3,000万円であります。 公債は、財政運営上、財政規律の範囲で運用されることであれば有効な財源であります。ただ、公債は借金であることには変わりありません。長期にわたり計画的に償還するわけでありますが、現在高について見ると、25年度末見込み額は1兆3,729億7,700万円となっております。この額は、県民1人当たり70万2,000円程度の額であります。この額は、今後も多少の増減を見ながらも予算計上される額となるものと思われます。 新たな総合計画「ふくしま新生プラン」は、30年後を見据えた計画でありますが、人口の推移を見ると、30年後の本県人口はシナリオBによる推計では137万人と推計しております。現有人口から見ると58万4,000人程度の人口が減少することになります。 30年後はともかく、人口減少とともに財政規模も縮減されるものと考えられ、今後公債が現在高のままで推移すれば、後世に多大な負債を引き継ぐことになるのではないかと危惧するところであります。 20年後の平成45年の予測人口は140万人程度であり、県民1人当たりの借金の額は98万円程度と推測されます。20年後の本県の財政運営は厳しい状況に陥るのではないかと思料するところであります。 そこで、より計画的な財政運営を行いながら、後世の方々に必要以上の県債の負担を残さないようにすることが求められるのでありますが、県債の管理について、次代を担う県民へ過度な負担とならないよう、どのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 次に、本県財政運営は、財政構造改革プログラム基本方針に基づき、長期にわたる計画的財政運営に努めてきたと認識するところでありますが、このプログラムは休止させているとのことであります。 平成25年度議案提案理由説明の中で、知事は「平成25年度はスピード感を持って新しい実績を次々に積み重ねていく新たな総合計画「ふくしま新生プラン」の推進初年度にふさわしい年にしてまいります。」と決意を述べられました。 「ふくしま新生プラン」は、本県の復興・再生の基本となるものであります。この計画の推進は、25年以降、長期にわたるものでありますが、計画の実施にかかわる事業費などの予算は、その財源確保及び予算計画の確実性が求められるものと思います。25年度以降においても、新しい実績を次々と積み重ねることによって復興・再生をなし遂げるものであれば、今後の予算等財政運営はしっかりした計画が必要と考えるものであります。 そこで、今後の「ふくしま新生プラン」を実現するための財政計画を策定すべきと思いますが、県の考えについてお尋ねいたします。 次に、財務事務の執行に関する事故報告の規定の適用についてであります。 私は、平成23年度決算審査特別委員会委員として、その任務に当たったところであります。これら審査に当たっては、地方自治法及び福島県財務規則などに目を通し、決算審査に臨んだところであります。 本県財務規則に定められている規定は、県民から預かる税金を適正に執行し、その成果を見るために、予測される諸問題の発生を防止することも含めて、まことにきめ細かく規定されております。これら規則に基づいて会計事務が行われていれば、何らの問題の発生を見ることはないものと認識したところであります。問題が発生するとしたならば、それは違反行為か、または職務怠慢による結末と判断したところであります。 本県財務規則は、第276条及び第277条に、違反行為をし、または怠ったことによる損害に関する届け出と、賠償責任を有する職員の範囲を規定しているものであります。これらの規定につきましては、本県会計事務必携によれば、県の財務会計に従事する一定の範囲の者について、職務の特殊性と重要性から、責任の所在を認識させ、事故発生を未然に防止するなど、公法上の特別責任として賠償責任制度を規定しているとしております。 そこで、これまで財務規則第276条及び第277条の規定に該当する事案があるのかお尋ねいたします。 また、財務規則第276条及び第277条に該当する事案が今後発生した場合、どのように措置するのかお尋ねいたします。 次に、福島県立医科大学学生寮の再建計画についてお尋ねいたします。 私は、これまで過去2回にわたり県立医科大学学生寮の整備の必要性について取り上げてまいりました。特に、中央防災会議が、宮城沖及び福島沖においてマグニチュード8.3の巨大地震が10年以内に70%、30年以内に90%の確率で発生する可能性についての報道があった時点において、老朽化著しい学生寮は倒壊するおそれがあり、寮生に被害者が出る可能性について指摘してきたところであります。 この学生寮は、3.11東日本大震災により、倒壊こそは免れましたが、大規模半壊の状況に陥りました。地震発生が昼間であったため、寮生にけが人が出なかったことは不幸中の幸いでありました。 本県は、医師不足への対応をするため、県立医科大学生の定員をふやし、また大震災とともに発生した原発災害により、新たな放射線医療への対応が求められ、医科大学を拠点にしての取り組みが進められているところであります。医師の確保はもとより、高度な医学の進歩に期待を寄せる本県にとって人材の確保は必須の課題であり、そのために魅力ある環境を整えることが求められるものであります。 医科大学生は、経済的に豊かな学生ばかりとは限りません。貧しいながらも医師や医学者となって社会や地域に貢献するという目標を持って学ぶ学生、人材を確保するためにも、県立医科大学学生寮は再建すべきであり、そのために平成25年度予算案に医科大学修学支援宿泊施設整備事業が計上されていると考えるものであります。 そこで、県立医科大学学生寮の再建計画における建設予定地、建物の規模、構造及び収容人員についてお尋ねいたします。 次に、人口減少対策についてお尋ねいたします。 現有人口を維持することはまことに厳しい環境にありますが、人口流出を防ぐ対策は急務であります。発災後見直された総合計画「ふくしま新生プラン」の確実な展開を期待するところであります。 そのためにはまず、新たに位置づけた人口減少・高齢化対策プロジェクトへの取り組みを進めるに当たり、現執行体制を強化する必要があると思います。また、少子高齢化に対する施策を従来の福祉の枠組みで進めるのではなく、発想を転換し、人口減少対策として、県を挙げて総合施策として取り組まなければ、実効性のある対策にはならないのではないかと考えるところであります。 特に、若い世代の県外流出を防ぎ、福島県を生活の場として選んでもらうためには、保育所を初めとする、あらゆる生活の場における放射能に対する不安がない環境づくりと、徹底した食品検査を長期にわたり実施することや、保育施設の増設、全ての園児の保育料の無償化なども視野に入れながら、本県ならではの保育環境の整備に積極的に取り組むべきと考えるところであります。 そこで、人口減少対策として、本県ならではの保育施策に取り組むべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 また、高齢化社会は加速し続けております。お年寄りとともに幸せな生活を送る家庭、一方では体調を崩し、また、認知症を伴う病気を持つお年寄りを抱える家庭、老老介護を続ける老人家庭、独居老人家庭など、大震災に見舞われた本県県民の中には、まことに厳しい環境の中で苦しみながらの生活を強いられている家庭があります。 孟子の言葉に「吾老を老とし、以て他の老に及ぼす。」とあります。自分の両親を愛し、敬うその心を他の高齢者にも持つことが大切であると言っているのだと思います。 社会には、そのようなお年寄りに寄り添った施策が求められておりますが、実態としては、介護施設は満室で利用したくても順番待ち、つまり施設利用者が亡くなって利用順番が回ってくるという状況にあります。人生の最終章を家族の愛と社会からの支えが相まった環境の中で過ごせるよう、介護施設の増設支援の強化など、人間としての尊厳を大切にする考えでの行動は人口減少問題に通じる対策でもあると思います。 そこで、福島県に居住すれば老後は安心して生活が送れると言える条件と環境を整えることが超高齢化社会における人口減少対策と思いますが、介護施設増設も含めた本県ならではの施策についてお尋ねいたします。 次に、県民健康管理基金の活用状況についてお尋ねいたします。 放射性物質を除去することは喫緊の最重要課題でありますが、仮置き場、中間貯蔵施設設置場所が定まらないため、除染作業が進んでおりません。仮置き場の確保が整った地区は、除染作業が進み、放射線量が低下し、その成果が見られている状況にあります。 これら除染事業費は、県民健康管理調査事業費として同一の基金を創設し、運用しておりますが、この基金総額3,654億円は平成24年度現在どのように活用されているのか、その活用状況についてお尋ねするものであります。 まず、除染のための基金について、県及び市町村それぞれが行う除染に係る所要額、執行状況及び成果をお尋ねいたします。 また、基金を活用した健康管理調査事業の所要額、執行状況及び成果についてお尋ねいたします。 また、除染及び健康管理調査に係る基金の額が将来にわたり安定的に確保されるのかお尋ねいたします。 次に、阿武隈川上流左岸の矢吹町陣ケ岡地内の浸水被害対策についてであります。 この地帯は、大雨が降るたびに氾濫する阿武隈川に阿由里川が合流する氾濫常襲地帯であります。特に昭和16年、平成10年の豪雨災害は、歴史に残る大災害でありました。平成10年の豪雨災害時には、現知事が参議院議員に就任され、間もなくの災害でありました。矢吹町の被災状況を視察されて以来、15年の歳月が流れたのであります。いまだに解消されることなく、その後も大雨が降るたびに氾濫を見ております。 当時、私は町政に携わり、その後県政にあって10年の歳月が流れました。河川改修事業を実施するにはさまざまな要件があるとの土木部の説明でありましたが、15年の歳月は決して短いものではありません。被災県民の河川改修への期待に対し、重い重い腰を伸ばすときに来ていると思います。 そこで、県は阿武隈川上流の阿由里川合流点付近における浸水被害対策をどのように進めるのか、お答えいただきたいと思います。 次に、農林水産業再生についてお尋ねいたします。 本県は、農業を基幹産業と位置づけ、その発展に力を入れて取り組んでまいりました。しかしながら、昭和40年半ばから陰りが見え、以来農業生産額も下降線をたどり始め、専業農業者も大幅に減少、第1種兼業・第2種兼業農家へと、その戸数は移行し、現在では専業農家は県全体で約1万3,000戸となっております。 農業を基幹産業と位置づけていても、就業する若者は微々たる数となっております。これは、農業収入だけでは豊かな生活ができないとの判断であります。このような状況にある本県農業に追い打ちをかけるかのように原発災害に見舞われ、農家は壊滅的打撃をこうむっているのであります。 人々の生活の基本にあるものは、今も昔も衣食住であります。現社会は、物資の全てが満たされる社会環境であります。また、衣食住の全てが国外、県外で生産されたもので生活を営むことができる環境にありますが、それでよいのでしょうか。少なくとも食料だけは安心して食せるものでありたいと考えるものであります。 今、福島で生産された食料の全てが放射性物質の被害をこうむり、生産者は窮地に陥っております。東京電力から賠償金の支払いがあるうちは何とかなるが、賠償金の支払いがとまったらどうなるのかと、生産者は先々を心配しております。食料の安全確保とともに、農林水産業の再生、再構築をいかに図るべきかは、深刻かつ重大な問題であります。 確かなことが1つあります。それは、全ての人々は安全で安心して食べることができる食品を求めていること、また一方で、多くの人々は、福島は放射性物質に汚染されている、福島で生産されている食品は放射性物質が含まれているのではないかとの認識であります。 この認識を払拭しない限りは、本県の農林水産業は壊滅的な事態となり、再生は不可能となるでしょう。したがって、これからは福島産こそが安全で安心できる食品だと言われるような食料生産に全力を投入することが再生の第一歩と考えるのであります。 平成25年度予算には、農林水産業再生プロジェクトを創設する施策を初め関係6事業にかかわる予算が計上されておりますが、いずれもハード事業であります。これらも大事な事業ではありますが、農林水産業生産者全体に影響を与えるものとは思えないのであります。 まずは除染、生産物の放射性物質検査の徹底、徹底した地産地消の推進、情報発信の徹底、使用肥料及び農薬等の周知徹底、生産者の意識改革、生産者、農業団体、商業団体との連携と協力要請、県独自の支援策の構築など、さまざまな施策が考えられるところでありますが、県は農林水産業を再生するための基本的な戦略についてどのように構築していくのかお尋ねいたします。 また、林業の中でも、原木シイタケ生産者は栽培が継続できるか大きな不安を抱えている状況にあります。このため、原木シイタケの生産回復には、ほだ木などの生産現場の除染の推進や安定的な原木の確保、また再生に向けた技術的な支援を示すことが必要であると考えるものであります。 そこで、県は、原木シイタケ生産回復に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、水産業についてでありますけれども、実は私の質問は前者の質問の中にもありました。したがって、項目だけを読み上げます。 水産物の放射性物質濃度を迅速に検査するため、魚肉をすりつぶさず測定できる非破壊型検査機器を導入すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 以上をもって、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(斎藤健治君) 執行部の答弁を求めます。    (知事佐藤雄平君登壇) ◎知事(佐藤雄平君) 三村議員の御質問にお答えいたします。 平成の歩みと未来についてであります。 この四半世紀を振り返りますと、バブルの崩壊、ソ連の解体、米国の同時多発テロの発生など、一瞬にして世の中がさま変わりする激変の時代であったと感じております。 私は、知事就任以来、本県の特色を生かした定住・二地域居住、企業誘致、文化・スポーツの振興にも取り組み、これが着実に成果を上げる中、リーマン・ショック、さらには東日本大震災が発生したのであります。 私は、この県政史上最大の危機に際し、常に県民の声に真摯に耳を傾け、ふるさとふくしまの再生に全力で取り組んでまいりました。 引き続き、「夢・希望・笑顔に満ちた“新生ふくしま”」という言葉に込めた思いを実現するため、まず第一に強力に除染を推進し、県土の再生に取り組んでまいります。 同時に、健康管理の充実や防災対策強化による安全・安心の確保、産業再生や拠点の整備を通した活力の再興、思いやりやきずな、伝統文化を大切にした心豊かな社会の形成、そして本県の宝である子供たちがたくましく成長するための子育て支援、郷土の誇りや世界に羽ばたく力を育む教育の充実、このような取り組みを力を振り絞って進め、新しい福島の未来を創造し、後世に引き継いでまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。    (総務部長鈴木正晃君登壇)
    ◎総務部長(鈴木正晃君) お答えいたします。 公共事業の発注につきましては、県内事業者の技術力等で施工可能なものは地元で対応することを原則として、これまでも地域要件の適切な設定や総合評価方式での地域貢献度の評価など、県内事業者の受注機会の確保に取り組んでいるところであり、こうした取り組みは地域経済を活性化させ、ひいては県税収入にも影響するものと考えております。 次に、平成24年度における県発注工事に係る県内事業者の受注率につきましては、ことし1月末時点で、件数ベースで96%、金額ベースで93%、県内事業者の契約総額は約918億円であります。 次に、職員の健康管理等につきましては、1日も早い復興等の実現のため、職員が心身ともに健康な状態を保ち、業務に従事することが重要であることから、職員の心身の状態を把握するための健康調査や管理職員を含めたメンタルヘルス研修会、医師による職場巡回指導などの実施により、職員の健康保持や働きやすい職場環境づくりに引き続き取り組むとともに、復興・再生の進捗状況を踏まえながら適正な人員配置を行い、円滑な事業執行に努めてまいる考えであります。 次に、県債につきましては、これまで徹底した事務事業の見直しやあらゆる歳入確保に取り組みながら、新たな県債発行を抑えるとともに、地方交付税措置を伴う有利な県債の活用や、将来の償還に備えた基金への積み立てなどにより、県債償還の平準化と負担の軽減に努めてきたところであり、臨時財政対策債を除く県債残高は平成14年度をピークに減少傾向にあります。 県といたしましては、今後とも県債残高や財政健全化判断比率の状況に十分配慮しながら、適切な県債管理に努めてまいる考えであります。 次に、財政計画の策定につきましては、復興事業の進展に伴う財政需要や財源の見通しは非常に流動的な状況であることから、当面の措置として、昨年10月に対象期間をおおむね5年とする復興・再生に向けた行財政運営方針を定めたところであります。 この方針に基づき、長期的かつ安定的な財源の確保と財政の健全性の確保に努めながら「ふくしま新生プラン」の着実な推進を図ってまいる考えであります。 次に、財務規則第276条及び第277条の規定に該当する事案につきましては、平成24年11月15日付で教育長より届け出がありました県中教育事務所における社会保険料支出遅延による延滞金の発生に関する報告1件があります。 次に、財務規則第276条及び第277条に該当する事案が発生した場合につきましては、県損害賠償審査会を開催し、地方自治法に基づく職員の県に対する損害賠償責任の有無に関して、故意または過失等を審査し、その結果に基づき、所要の措置を講じることになります。 次に、学生寮の再建につきましては、県立医科大学の構想において、福島市渡利地区の現敷地内に鉄筋コンクリート造3階建て、延べ床面積約2,300平方メートルの規模で、男女合わせて100名程度の学生が入居できる新学生寮を整備する予定としております。 県といたしましては、平成25年度当初予算において設計費に対する補助金を計上しております。    (生活環境部長長谷川哲也君登壇) ◎生活環境部長(長谷川哲也君) お答えいたします。 除染につきましては、今年度までの所要額は、市町村が行う除染費用に対する交付金として約2,700億円、県有施設の除染費用として37億円の歳出を見込んでおり、1月末現在、市町村分が申請ベースで78%、県分が発注ベースで49%の執行となっております。 また、これらにより、おおむね市町村分は住宅6万3,000戸、公共施設3,400カ所、道路2,100キロメートル、農地等2万900ヘクタールなど、県分は37施設、道路180キロメートルなどについて除染を推進しております。 次に、基金積立額の確保につきましては、除染は放射性物質汚染対処特別措置法の第43条において、県民健康管理は福島復興再生特別措置法の第68条において、それぞれ国による財政措置が明記されているところであり、今後とも基金の執行状況を踏まえて国に対し適時適切に積み増しを求め、安定的に確保してまいります。    (保健福祉部長菅野裕之君登壇) ◎保健福祉部長(菅野裕之君) お答えいたします。 老後も安心して生活できる環境の整備につきましては、県独自に特別養護老人ホーム等の整備に対する補助金をかさ上げするなど、介護施設の整備に対する財政的支援を行い、平成26年度までの3カ年で約4,200床を整備するとともに、高齢者の生きがい、健康づくりを初め介護予防の推進や認知症対策などの各種施策に積極的に取り組み、高齢者の誰もが安心して生活できる福島県の実現に努めてまいる考えであります。 次に、基金を活用した健康管理・調査事業につきましては、今年度末までの事業費として約264億円を見込んでおります。 これまで甲状腺検査については、1月25日現在で約15万人の検査を、また、内部被曝検査については1月末現在で約11万人の検査を終了するなど、計画的かつ効果的な事業の執行に努めてきたところであり、今後とも基金を有効に活用し、県民の健康の長期にわたる見守り等にしっかり取り組んでまいる考えであります。    (農林水産部長畠 利行君登壇) ◎農林水産部長(畠利行君) お答えいたします。 農林水産関係事業費の減額につきましては、市町村が行う農地等の復旧事業において、当初予定していた被災地域の地盤沈下に対する盛り土が堆積土砂を活用することで不要となったことなどによる減額であり、復旧・復興の計画に影響を及ぼすものではありません。 県といたしましては、引き続き市町村とともに農林水産業の再生に向けて早期の復旧・復興に努めてまいります。 次に、農林水産業の再生のための基本的な戦略につきましては、福島県農林水産業振興計画を見直し、重点戦略を掲げ、農林水産業の再生に向けて各種施策を着実に実施してまいります。 具体的には、被災した生産基盤の復旧のほか、放射性物質吸収抑制対策の徹底や検査の強化、県内外への販売促進活動やPRの拡充により、安全・安心な農林水産物を提供するとともに、担い手の育成や新たな経営・生産方式の導入、地域産業6次化の推進等により、農林漁業者が意欲を持って活躍できる、魅力ある農林水産業を目指してまいる考えであります。 次に、原木シイタケの生産回復につきましては、これまでも原木やほだ木の放射性物質の測定や購入支援を行ってきたほか、生産者からの要望を把握し、原木の不足が生じないよう、他県などからの供給確保に努めております。 また、現在、放射性物質対策を盛り込んだキノコ栽培マニュアルの改定作業を行っており、これに即した栽培方法の周知を図るとともに、丁寧な生産指導を行うこととしております。 今後は、関係市町村に対し、ほだ場などの除染に必要な情報提供を行い、除染計画策定を促すなど、積極的に原木シイタケの生産支援に努めてまいります。 次に、放射性物質濃度を迅速に検査する機器につきましては、水産物は種類が多いこと、鮮度保持が必要であること、測定時の防水対策など、水産物特有の課題があると認識しております。 そのため、県漁連と連携し、機器開発メーカーに検体を提供するとともに、昨年12月に設置した県漁連、漁協、県等で構成する放射性物質検査体制検討会において、メーカー、技術者も加えて意見交換を行っており、迅速に検査できる非破壊型検査機器の開発導入を促進してまいる考えであります。    (土木部長渡辺宏喜君登壇) ◎土木部長(渡辺宏喜君) お答えいたします。 防災緑地につきましては、早期に事業着手ができるよう、概略検討に基づく事業規模としておりましたが、その後、市、町等と協議しながら、住宅地への防災効果などを詳細に検討し、面積や盛り土量など全体計画の見直しにより、全体事業費や年度ごとの事業費が縮減したものであり、復旧・復興の計画に影響はないものと考えております。 次に、復興公営住宅整備促進費につきましては、関係市町村から今年度分の県代行整備の要請が見込まれないことや、県営の復興公営住宅に係る用地取得費が想定した額を下回った等の理由により減額したものであります。 次に、復興公営住宅の整備につきましては、県代行整備の関係市町村からの要請が見込まれないこと及び県営の復興公営住宅500戸の用地買収や調査設計を進めていることから、減額の影響はないものと考えております。 今後とも、関係市町村ときめ細かに調整を行うなど、復興公営住宅の整備に迅速に取り組んでまいる考えであります。 次に、復興公営住宅における障がい者への配慮等につきましては、ふくしま公共施設等ユニバーサルデザイン指針や福島県県営住宅等条例に基づき、バリアフリー化など、障がい者を含む誰もが利用しやすい住宅とするとともに、高齢者の孤立化を防止するため、コミュニティーを醸成しやすい住戸形式や高齢者の集まりやすい空間を組み入れるなど、設計過程において障がい者団体等からの意見を聞きながら整備してまいる考えであります。 次に、阿武隈川上流の阿由里川合流点付近における浸水被害対策につきましては、平成23年9月の台風15号による洪水を契機に、家屋の浸水被害を防止するため、災害対策等緊急事業推進費により阿由里川の堤防かさ上げ等を実施することとし、1日も早い工事着手に向けて現在用地の取得を進めているところであり、平成25年度内の完成を目指し、全力で取り組んでまいる考えであります。    (子育て支援担当理事鈴木登三雄君登壇) ◎子育て支援担当理事(鈴木登三雄君) お答えいたします。 保育施策につきましては、福島だからこそ子育てしたいと思われる環境づくりを進めるため、新たに、運動能力の向上や自然体験の充実、地域交流などに取り組む保育所等を支援する本県独自の事業を創設し、子供たちの豊かな心身の発達を促す手厚い保育を推進してまいります。 また、多子世帯の保育料軽減や保育施設の一層の整備とともに、処遇改善による保育士の定着促進にも取り組むこととしており、今後とも人口減少対策としても重要となる保育施策を総合的に展開してまいる考えであります。 ○議長(斎藤健治君) これをもって、三村博昭君の質問を終わります。 暫時休憩いたします。    午後2時51分休憩                   午後3時12分開議 ○副議長(斎藤勝利君) この際、私が議長の職務を行います。 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。 直ちに、質問を継続いたします。 通告により発言を許します。46番本田朋君。(拍手)    (46番本田 朋君登壇) ◆46番(本田朋君) ふくしま未来ネットワークの本田朋であります。私は、通告に基づき、今定例会に上程されました知事提出議案、平成25年度一般会計予算案並びに当面する県政の重要な諸課題について、ふくしま未来ネットワーク会派を代表して質問をいたします。 昨年12月に執行された第46回衆議院議員選挙において、自由民主党が衆議院議席の3分の2を超える議席を獲得し、政権交代が行われました。思い返せば3年半前、国民の大きな期待と負託を受けて誕生した民主党政権が今このような形で政権を追われ、下野することになろうとは誰が予想したでしょうか。 民主党の掲げていた政治主導、脱官僚、地域主権改革などのマニフェスト、その崇高な政治理念で既得権益を打破してくれるのではないかと、その期待が残念ながらさまざまな要因で実現されず、国民の大きな期待を裏切ったこと、そして何よりマニフェストへの不信、ひいては政治そのものへの大きな不信を招いたことは大変残念であり、日本の民主主義にとって極めて不幸な出来事であったと言わざるを得ません。 一見、福島県は段階的に表面上は平穏な日常を取り戻しつつあるかのように感じられます。しかし、私は、福島県民の怒りとフラストレーションがある意味臨界点を超えて、政治や行政に対して見切りをつけて、絶望から来る諦めの境地に至っている事実を改めて県執行部、そして県議会議員一同再認識し、反省しなければならないと思います。 今こそ私たちは、被災地福島県の県議会議員として、また、政治の立場に身を置く者として、もう一度主権在民の原理原則のもと、国民の民主主義への信頼を取り戻さなければなりません。政治への信頼をもう一度取り戻すためには、改めて私たち福島県議会は、被災者に寄り添う県民党、福島党の立場で、党派、会派を超えて一致団結、力を合わせて邁進していこうではありませんか。 私自身も、明治11年以来の長きにわたる伝統と権威ある福島県議会において県政の一端を担わせていただいている、その歴史的重みと責任を改めて全身全霊で受けとめ、歴史的苦境の真っただ中でいまだにもがいている福島県民の幸せと希望を取り戻すために、その職責をしっかりと果たし、身命を賭して県民のために最後まで闘っていくことをお誓い申し上げまして、以下質問に入ります。 まず、佐藤知事にお尋ねいたします。 安倍新内閣の経済再生政策、いわゆるアベノミクスについてであります。 昨年末に発足した安倍新内閣は、先月、早速経済対策の補正予算を打ち出し、復興の加速化と縦割り行政の解消を狙いとし、復興庁福島復興局と環境省福島環境再生事務所、政府の原子力災害現地対策本部の総合的な調整を行う新しい組織、福島復興再生総局を立ち上げました。 地方議員の立場からいえば、中央各省庁の下部組織かと見まがうくらい中央集権的だったこれまでの復興局から、現場でスピード感のある意思決定がなされるダイナミックな組織に改編されたのだと素直に評価をし、これをもって復興事業が加速化することを願ってやまないところであります。 安倍総理はまた、先月の通常国会冒頭の所信表明演説の中で、みずからの経済再生政策を3本の矢と称し、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」を展開すると主張されました。デフレや円高傾向からの脱却、大胆な金融緩和と名目3%以上の経済成長を達成目標とするなど、意欲的な取り組みを標榜しております。 一方で、公共事業偏重によるばらまきの懸念、円安誘導による企業のバランスシートの表面的な改善、インフレターゲットを設定しての金融政策は、新たなバブル経済につながりかねないとの懸念も一部の有識者から示されるなど、その政策についての評価はいまだこれからであります。 佐藤知事は、知事に就任される前は参議院議員として国政の場で活躍をされておられました。もし知事が今なお参議院議員としてその職におられたら、どのようなロジックで舌鋒鋭く安倍総理を追い詰める場面が予算委員会であっただろうか、どのような質問を国政壇上でされていただろうかと、想像をかき立てられるところであります。 そこで、知事は安倍新内閣の経済再生政策についてどのように評価をされているのかお尋ねをいたします。 次に、本県の一般会計予算の適切な執行管理に対する考え方についてであります。 今定例会に提案された平成25年度一般会計予算案は、史上最大の1兆7,319億円余り、復興事業が具体的に予算化され、執行残を最小限にとめ、しっかりと計画的に予算を執行していく必要があります。 一方で、計画そのもののやむを得ない変更や見直し、公共工事発注の遅延などに伴い、大幅な減額補正も今年度で実施されております。特に未執行分の復旧・復興関連事業が多く残っており、それらは基金に戻したり、あるいは当初予算に移しかえるなどで対応可能な部分は多くありますし、もちろん不要不急の事業を無理に行う必要はないと思います。 戦国時代、太閤豊臣秀吉政権下において筆頭奉行を務めた石田三成は、「奉公人は主君より取る物を遣い合わせて残すべからず。残すは盗なり。遣い過ぎて借銭するは愚人なり」と、組織を束ねるリーダーとして、また、行政執行権者として、民のために使うべき金銭を出し惜しみして余らせるのは盗人のしわざであり、また、使い過ぎて借金を残すのは愚か者のすることだという名言を残しています。 そもそも憲法でうたわれている予算の単年度主義そのものが大型事業を伴う現代にそぐわないことから、見直しを求めるべきとの有識者の声もありますが、やはり長期的な財政計画の組み立てを考慮し、事業執行に努めるよう、しっかりとした管理と運営をしていくべきと考えます。 そこで、県は、予算の適切な執行管理に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 次に、県職員の人事交流についてであります。 我が会派の髙野光二議員の代表質問で知事は、これまでの2年間の総括をされました。「原発に依存しない、再生可能エネルギーを飛躍的に導入する社会、世界をリードする経済産業の社会、新しい長期総合計画「ふくしま新生プラン」を中心に据え、新生ふくしま復興推進本部を司令塔とし、福島県の未来を切り開いていく。」と力強い答弁をされました。 しかし、どうしても地方行政という枠組みの中だけで、とりわけ福島県という1つの特殊な地域で限られた職域と職責を果たしていくだけでは、今後複雑多様化する行政ニーズ、とりわけ復興事業を通して、この新生ふくしま復興推進本部で復興事業の任に当たられる職員皆様は、新しい21世紀の福島県を創造していく担い手としての活躍が期待されるわけですから、これまでにない新しい発想、果敢に挑戦するマインド、そして何よりもリーダーシップを育てる必要があると思います。 人間的な深みやさまざまな政策スキル、あるいは目まぐるしく変化する社会や経済情勢に対応していく力、コミュニケーション能力、民間企業経営のコスト感覚など、これまでの行政マンに求められている能力と資質以上のものを求められる可能性が高まっております。 県政史上最大の復興予算の中、人員の都合もあると思いますが、長期的な人材育成と資質向上という観点からも、福島県庁というフィールドを超えて、中央省庁、市町村、ほかの都道府県などの自治体、さまざまな外郭団体、教育機関、あるいは民間企業、国際的な素養や感覚を醸成するために在外公館などへ積極的に出向していくべきと考えます。 震災前、5年前の平成20年度の中央省庁への1年以上の出向数は11人、今年度は8人、同じく平成20年度、他都道府県への出向数は4人、今年度はゼロ、また外郭団体、民間企業への出向は平成20年度はともに4人で、今年度は1人と、いずれも減少傾向にあります。 このような外部機関との人事交流については、震災前から行われていたものの、震災後、復興事業の増大を理由に外部機関との人事交流が滞ることは、まさに未来を見据えたとき、長期的視点に立った場合、人材育成の観点から非常に残念だと思います。 そこで、県は職員の人事交流や派遣などを今後どのように進めていくのかお尋ねをいたします。 次に、廃炉についてであります。 私は先月、企画環境常任委員会の視察で、廃炉に向けた作業が続けられている東京電力福島第一原子力発電所事故サイト敷地内に入りました。あちこちにまだ瓦れきがあり、線量も高く、原子炉も無惨な姿をさらしていました。現場で必死に廃炉作業を進めておられる方々の御努力、御尽力には衷心から頭が下がる思いであります。 一方で、我が福島県議会を初め県内多数の市町村議会が、福島県内にある全ての原発の廃炉を求める決議を出しております。しかし、東京電力は、第一原発1号機から4号機についてはともかく、5号機、6号機、そして第二原発についてはいまだに廃炉の方針を明確にしていません。マスコミ報道においても、東京電力社長や幹部などのインタビューでも、5号機、6号機、そして第二原発についての廃炉を明言する場面がこれまで一度もありません。むしろ明言を避ける場面ばかりが目につくわけであります。 東京電力の今後の事業計画や予算にも、第一原発の5号機、6号機、第二原発の廃炉費用らしきものは全く計上されていません。あろうことか、原子力発電所の減価償却費や賠償対応の費用を原価に算入するに至っている現状では、将来の再稼働を視野に現在の冷温停止状態管理を継続しているとのそしり、疑いを免れないのではないでしょうか。 これは全く、脱原発を求める行政の意思、全基廃炉を求める議会決議による政治の意思、そして人類史に残る忌まわしい東日本大震災東京電力福島第一原子力発電所事故発災以来丸2年が経過しようとしているにもかかわらず、住みなれたふるさとを追われ、県内外の避難先で未来が見えない苦しい避難生活を続けておられます16万人を超える方々の思い、そして原子力災害で苦境の真っただ中にいる全ての県民の意思に反する重大な裏切り行為ではないでしょうか。 そこで、東京電力に対し、改めて福島第一原子力発電所5号機、6号機及び福島第二原子力発電所1号機から4号機の廃炉を求めていくべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 さて、さきの代表質問において、ふくしま未来ネットワークの髙野光二議員が中間貯蔵施設の早期整備を促す質問をいたしました。特に、汚染土壌などを埋め立て処分する中間貯蔵施設の議論がスピード感を持って進まないため、仮置き場の設置が進まず、低放射線量被曝対策のための除染が効率的に進まないとの不満の声が多く聞かれます。 知事は、中間貯蔵施設の受け入れを3つの条件つきで昨年12月議会に表明いたしました。また、いずれは県外で最終処分をするということを前政権では表明し、約束をされているという状況ですが、30年以内に最終処分場の候補地に手を挙げる自治体が県外に出てくる確証も法的根拠もない状況であります。これがまた中間貯蔵施設設置の議論にブレーキをかけている一因ではないかと考えるものであります。 ノット・イン・マイ・バックヤード、私の裏庭には来ないでという意味の英文ですが、その英語の頭文字をとったニンビー現象という言葉があります。みんながみんな施設設置の必要性は理解できるが、自分たちの住む地域には持ってこないでくれよという住民の意識を指す言葉です。後々、沖縄の米軍基地問題のような禍根を残すことになりかねない議論であると言えます。 今本当に福島県に必要なのは、単なる除去土壌のためだけの中間貯蔵施設なのか、それとも昨年県議会の海外行政視察で視察してまいりましたフィンランドのオンカロのような高いスペックを誇る放射性廃棄物の最終処分場のようなものを思い切って県内に設置を今から求めていくべきなのか、県民の間でもさまざまな議論があると聞いております。 小手先の改革や表層的な解決策は、単なる問題の先送りでしかありません。逆説的に言えば、福島県は東日本大震災とあの歴史に残る原子力災害の前から水面下で多くの矛盾と課題を深層部分で抱えていたのです。それがあの大震災以降、表層に噴出し、私たちの目の前にあらわれてきたのではないでしょうか。今県民が望んでいることは、問題を先送りにする玉虫色の政治決着ではなく、リーダーシップを持って21世紀の福島の未来を力強く語る政治の姿ではないでしょうか。 そこで、中間貯蔵施設にとどまらず、放射性廃棄物の最終処分場の県内設置を国に求めていくべきとの意見に対する県の見解をお尋ねいたします。 次に、ふくしま国際医療科学センターについてであります。 世界トップレベルの医学的英知をこの福島県に集結させ、放射線被曝に対する県民の健康を責任を持って守り、福島県の復興を医療の側面から支えるという崇高で高い理念のもと、ふくしま国際医療科学センターがその開設に向けて準備が着々と進められております。IAEAから客員教授を招聘するなど、その意欲的な取り組みが世界から評価されるよう、継続的な取り組みが求められるところであります。 放射線被曝に対する健康管理対策は、長きにわたり継続していくことが重要であり、法的にも財政的にも政府レベルの支援は不可欠であります。その初期投資、整備費などについては一定程度の目途がついたと言えますが、その管理運営費、将来にわたるランニングコストをどのように長期的、安定的に確保していくかが今後重要であると考えます。 そこで、ふくしま国際医療科学センターの運営に要する財源をどのように確保していくのか、県の考えをお尋ねいたします。 次に、森林除染についてであります。 26年前に発生したチェルノブイリ原発の事故、やはり大量の放射性セシウムが飛散し、森林や土壌汚染が深刻な問題となりました。しかし、山地の除染、とりわけ森林除染は容易ではないと言われており、確固たる除染技術も確立されていないという状況があります。 旧ソ連、そして91年以降のロシア、ウクライナ、ベラルーシも、森林からの科学的、効率的なセシウム除去は困難としており、一部試験的除染はしたものの、場所によっては全く手つかずのまま、今でも森林の深部では高い放射線量を示している場所もたくさんあるのが現状と言われております。 しかし、日本ではチェルノブイリのように最初から森林除染を諦めるわけにもいきません。高濃度に汚染された山地や森林は、一旦除染して線量が低下した生活空間の線量を再び上げてしまう元凶となっています。森林は水源となっており、下流へ流れる水が汚染されている可能性も残ります。 現在、県内市町村において策定された除染計画をもとに住宅地などの生活空間や一般住居スペースの除染が行われているこの除染についても、生活圏周辺20メートルのみでの作業であり、森林内に蓄積している放射性物質が水や大気を通じて森林の外に流出、拡散する可能性が懸念されております。ウクライナやベラルーシは、本県とは森林、土壌、気候や地形が大きく異なり、一概に比較することもできませんが、森林除染そのものが大変難しい作業であるということは共通の認識で持っておく必要があると思います。 そこで、森林除染について県はどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 次に、移住権についてであります。 91年に旧ソ連が崩壊し、チェルノブイリ原発事故対応も、ロシア政府、ウクライナ政府、ベラルーシ政府それぞれが対応することになりました。原発事故から5年後のことであります。「ある意味、チェルノブイリ事故は共産主義国家であった旧ソビエト連邦の崩壊を早めたと言える。」と、私がミンスクでお会いしたリクビダートルで作業員を経験された方がお話をされたのが大変印象に残っています。 その91年、事故から5年後にチェルノブイリ原発事故被災者の状況とその社会的保護に関する法が制定されました。いわゆるチェルノブイリ法であります。その中に移住権というコンセプトが出てきます。 移住権は、強制移住対象地域以外において、放射線量や土壌汚染度が一定レベル、年間1ミリシーベルトを超える地域で他地域への移住を希望する住民に、移住に関する費用、資産の補償、移住先での住宅・雇用支援を受ける権利として規定されたものであります。もちろん当該地域では居住を継続する権利も同様に認められ、残ることを選択した居住者に対しても手厚い支援がなされることとなっています。 今さまざまな事情で県外へ自主的に避難をされている若い方々がたくさんおられます。事故から2年たとうとしていますが、福島県への帰還を決めた方もまたたくさんおられます。福島県に残ることを選択した人ももちろんたくさんおられます。このようなそれぞれの選択についての自己決定権、自主性を尊重し、権利の多様性を認めていく必要があるのではないかとの議論がありますが、その中で、特に移住権について県の認識をお聞きしたいのであります。 そこで、チェルノブイリでは、事故から5年経過後にも線量が高い地域については移住権を認めていますが、被災者の移住権に対する県の考えをお尋ねいたします。 次に、スポーツによる地域活性化についてであります。 本格的なウインタースポーツシーズンの到来とともに、3年前の熱気と興奮が先月、本県猪苗代町に戻ってまいりました。 2009年冬、世界のトップアスリートたちが猪苗代の地に集い、雪山の空にフリースタイルスキー、モーグル競技の選手たちが舞う真剣勝負が熱く繰り広げられました。あの興奮と感動から3年、東日本大震災東京電力福島第一原子力発電所の事故を経て、苦難の道を歩んでいる福島県にあのワールドカップが帰ってきたのであります。 今、人類史に残る原子力災害によって「フクシマ」の名前は世界中にとどろき、その復興への歩みは全世界が注目しているところです。「フクシマ」の地名から想起される負のイメージを払拭していくために、世界的なスポーツ選手権大会を積極的に本県に誘致し、その成功を国際社会に向けて発信することは大変重要な取り組みだと思います。 先月、リステルスキーファンタジアにて開催されたFISフリースタイルスキーワールドカップ猪苗代大会は、まさに福島県の復興をスポーツを通じて国際社会に発信する絶好の機会でありました。本来であれば、福島県としても全庁を挙げてこのイベントへのさらなる支援を充実させる必要があったのではないかと感じるのであります。 私は、この大会のレセプション、関係者のパーティーに御招待をいただき、会派の同僚議員とともに参加をしてまいりました。その中で、世界10カ国から成るフリースタイルスキー、モーグルの選手団、そして選手を派遣していない国の大使館の方々と交流し、若い多感な外国のレベルの高い優秀な選手たちがこの福島県で活躍し、思い出をつくり、またそれぞれの国に帰って福島県のことを宣伝してくれる、大変強い発信力を持っておられる方々だなと感じました。 まさにこのFISフリースタイルスキーワールドカップ猪苗代大会のような世界的スポーツ選手権大会を本県に積極的に誘致し、復興を国際社会に向けてどんどんアピールしていくべきではないでしょうか。 そこで、今後さらに世界的なスポーツ大会を本県に積極的に誘致すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 また、4年に一度正式に開催されている冬季オリンピック、今後は2014年にロシアのソチ、2018年に韓国のピョンチャンにて開催が予定されていますが、いつの日か福島県の東日本大震災と原子力事故からの復興を全世界に発信する絶好の舞台として、福島会津猪苗代冬季オリンピック誘致という大きな夢を語っていくことはできないでしょうか。 そこで、冬季オリンピックの本県への誘致を検討すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 また、FISフリースタイルスキーワールドカップ猪苗代大会の成功を契機とし、福島県をスキーやスノーボード、ウインタースポーツの聖地とするべく、各種施策の充実を図るべきと思います。まさに観光交流人口の拡大にウインタースポーツを積極的に利用するべきであります。 そこで、県はスキー場への誘客にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 次に、福島空港の国際定期路線についてであります。 東日本大震災発生以来、国際定期路線が全て運休という状態が続いています。この間、県として全力で路線再開へ向けてあらゆる努力をされているかとは思いますが、残念ながらいまだ再開の目途は見えず、ついには昨年10月、中国東方航空が福島支店を閉鎖という事態になっています。 円高や領土・外交問題なども重なり、状況は大変厳しいと認識していますが、県は福島空港国際定期路線再開に向け、来年度どのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 最後に、教育行政について質問いたします。 先月、私たちふくしま未来ネットワークと教育委員会との勉強会を開催し、活発な意見交換をいたしました。私は、やはり教育も行政サービスだという認識を持つ必要があると思います。学問の一方で、複雑化する現代社会において生き抜く力と本源的な学問の楽しさを学ぶことは、究極的には両立できると思います。 私は、そのためには教育現場での多様性を確保していくことが重要であり、さまざまな社会経験や民間企業などの経験を有した方々が本県の復興を担う子供たちの教育に携わっていくべきだと考えます。また、地域に根差したキャリア教育実現のためにも、多種多様なバックグラウンドを持つ方々が教壇に立つべきではないかと考えます。 そこで、本県の教員採用選考試験において年齢制限を設けるべきではないと考えますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。 21世紀の高度情報化社会に対応する人材育成には、早くからの実践の場が必要です。小中学校の段階から液晶ディスプレーをタッチパネルで操作できる情報端末を使いこなす子供たちを養成し、ITリテラシーをしっかりと育てるべきと思います。 そこで、公立小中学校における授業でタブレット型端末を活用すべきと考えますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。 また、教育現場に近い最前線へさまざまな権限を移すべきという考え方、教職員の方々により地域に根差してもらい、コミュニティーの一員としてより深みのある人間教育に携わるべきだとの考えから、以前から何度か私は教職員の人事権移譲について質問をしています。 基礎自治体の規模によって良質な教員確保に支障が出るという指摘もありますが、教育行政組合のような手法も可能だと思います。まずできるところから始めてみる、オーダーメード権限移譲メニューに教職員人事権を載せて、可能な限り教育分権を進めるべきです。 そこで、公立小中学校教職員の人事権を市町村教育委員会へできる限り移譲すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。 また、大阪市は来年度から公立学校の校長を全て民間人にしたいとの方針を固めました。予算は自治体、人事権は教育委員会が持っていることから、学校長にはかなり限定された権限のみが付与されているのが現況ではありますが、教育界に新しい息吹を吹き込む一助とするため、民間の経験、組織マネジメントの経験がある有為な人物を登用すべきではないでしょうか。 本県でも民間人校長がおられましたが、2012年3月末で退職以来、民間人校長ゼロという状態が続いています。 そこで、県立学校に民間人校長を登用すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。 最後に、今年度の高校入試では、サテライト校への志願者数は昨年に引き続き定員を大きく下回る状況が見込まれています。親元を離れ通学している先輩の苦労を見て、やはりサテライト校の現況と今後の展望に不安を抱く受験生もたくさんいると聞いております。 思い切ってサテライト校は一旦集約、整理、再編成し、例えば寄宿舎制の全く新しい復興未来型総合高校として、双葉郡の将来と復興を担う人材を育成する1つの総合高校にできないかという政策提案を会派としてさせていただいておりますけれども、このまま出願数が少ない状態がいつまで続くのか、真に被災地の学生の心に寄り添うサテライト校のあり方について真剣に検討し、早急な対応が求められる状況であります。 そこで、サテライト校の今後について、生徒募集停止も視野に入れて検討すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたしまして、私の追加代表質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○副議長(斎藤勝利君) 執行部の答弁を求めます。    (知事佐藤雄平君登壇) ◎知事(佐藤雄平君) 本田議員の御質問にお答えいたします。 安倍新内閣の経済再生政策についてであります。 安倍総理は、先月28日の国会の施政方針演説において、金融政策、財政政策、成長戦略の同時展開により、強い日本経済を取り戻すかたい決意を改めて示されました。 私は、県内経済が、震災や原子力災害に加え、長引く円高やデフレの影響により極めて深刻な状況に置かれていることから、全国知事会等と連携をして、地域経済を支えている中小企業や雇用に配慮した効果的な対策を求めてまいりました。 こうした中、安倍新内閣が発足し、政府と日本銀行の政策連携による物価安定の目標の導入などにより、株価の回復等が見られ、県内でも景気回復への期待感が高まっております。 今後は、大型補正予算及び新年度予算による切れ目のない経済対策の実施や持続的な日本経済の成長につながる成長戦略の早期策定により、経済を確かな回復に導くことが重要であると考えております。 私は、地域経済の回復なくして日本の経済の再生はないと考えており、新内閣のこれらの取り組みが本県の復興の実現に結びつくことを大変期待しているところであります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。    (総務部長鈴木正晃君登壇) ◎総務部長(鈴木正晃君) お答えいたします。 予算の執行管理につきましては、まず部局みずからが事業の進捗を適時的確に把握することが基本であり、その上で増大する復興関連予算に対応できるよう、平成25年度からは新たに新生ふくしま復興推進本部において主要事業の執行状況等の点検を行い、生じた課題に迅速に対応することにより、着実な事業の進展に努めてまいる考えであります。 次に、職員の人事交流等につきましては、震災対応を最優先するため縮小しておりましたが、震災からの復興・再生など今後長期間にわたる行政課題に対応していくために、職員の資質向上や専門性を持った人材の育成がこれまで以上に必要であることから、人事交流や国への派遣研修等を通じて、本県の復興・再生の担い手となる人材の育成を着実に進めてまいる考えであります。    (企画調整部長野崎洋一君登壇) ◎企画調整部長(野崎洋一君) お答えいたします。 廃炉につきましては、東京電力福島第一原子力発電所の事故による甚大かつ広範囲な被害の現実を踏まえ、原子力に依存しない安全・安心で持続的に発展可能な社会を目指すという基本理念のもと、国及び東京電力に対して県内原発の全基廃炉を強く要請してまいりました。 今後とも、引き続きその実現に向け粘り強く求めてまいる考えであります。    (生活環境部長長谷川哲也君登壇) ◎生活環境部長(長谷川哲也君) お答えいたします。 最終処分場の設置につきましては、国に対し、県外での最終処分について明確に示すよう求めてきており、昨年7月に国が策定した福島復興再生特別措置法に基づく基本方針において、除去土壌等は中間貯蔵開始後30年以内に県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずると明記されたところであります。 県といたしましては、国の責任において、県外での最終処分場設置の時期や場所などの方針を明確に示すよう引き続き強く求めてまいります。    (保健福祉部長菅野裕之君登壇) ◎保健福祉部長(菅野裕之君) お答えいたします。 ふくしま国際医療科学センターにつきましては、原子力災害からの本県の復興に向けた医療の拠点として整備を進めているところであります。 同センターの運営費につきましては、昨年策定した基本構想を踏まえ、組織や運営体制を構築していく中で必要となる費用の精査を行うとともに、その財源措置を国に対し強く働きかけるなど、今後、同センターを長期にわたり安定的に運営するための財源確保に努めてまいる考えであります。    (農林水産部長畠 利行君登壇) ◎農林水産部長(畠利行君) お答えいたします。 森林除染につきましては、国に対して、知見の集積に積極的に取り組み、速やかに方針を決定するとともに、実施に関するロードマップを示すよう強く求めてきたところであります。 さらに今後は、本年1月に発足した復興大臣を中心に関係省庁で構成する除染と復興の加速化に向けた協議の場に対して、県が実施している汚染状況調査や実証試験の結果を提示するとともに、除染区域の拡大や拡散防止対策など、地域の実情に合った具体的な提案を行うことで早急な森林除染の実施を促してまいります。    (原子力損害対策担当理事鈴木淳一君登壇) ◎原子力損害対策担当理事(鈴木淳一君) お答えいたします。 被災者の移住権につきましては、子ども・被災者支援法において、対象となる被災者が居住し続けた場合でも、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還のいずれを選択した場合でも適切に支援するものと定められており、県といたしましては、本県の実情を踏まえた支援策が早急に実施されるよう、引き続き国に対し強く働きかけてまいります。    (文化スポーツ局長小松信之君登壇) ◎文化スポーツ局長(小松信之君) お答えいたします。 世界的なスポーツ大会につきましては、県民のスポーツに対する関心が高まることや、着実に復興が進んでいる本県の姿を海外に発信できる絶好の機会であることから、先月のフリースタイルスキーワールドカップ福島猪苗代大会においても、開催経費への助成、広報活動の協力、おもてなしの実施等の支援を行ったところであります。 今後とも、競技団体等と連携を図りながら、新たに誘致される大会への助成制度等も活用し、本県の復興につながる世界的な大会を初め広域的なスポーツ大会の誘致に積極的に取り組んでまいる考えであります。 次に、冬季オリンピックの本県への誘致につきましては、オリンピックはスポーツを人類の調和のとれた発達に役立てることを目標とした世界最大のスポーツの祭典であり、その開催にはさまざまな条件を満たす必要があります。 本県への誘致に当たりましては、現状では、多くの競技において県内に競技条件を満たす施設がないこと、選手村など会場周辺のインフラの整備、さらには開催経費として数千億円規模に上る財源の確保など、大きな課題があるものと考えております。    (観光交流局長星 春男君登壇) ◎観光交流局長(星春男君) お答えいたします。 スキー場への誘客につきましては、市町村、民間事業者等と連携しながら若年層のスキー人口の増加とリピーター確保を目指し、昨年度より20歳から22歳の若者を対象としたスキーリフト券無料化事業を行うとともに、県外の学校へのキャラバン活動により、スキー教室等の誘致を行ってまいりました。 今後は、これらの取り組みに加え、温泉や雪祭りなど冬の観光素材を組み合わせた周遊コースづくりに取り組むとともに、スポーツショップ等と連携したより効果的なプロモーション活動を展開するなど、一層の誘客を図ってまいります。 次に、国際定期路線の再開につきましては、中国、韓国の政府機関や航空会社等に対して本県の正確な情報発信に努めながら、渡航制限解除と路線再開を要請してきた結果、渡航制限の緩和やチャーター便の運航が実現いたしました。 来年度も引き続き、航空会社に対して旅行需要を示していく必要があることから、チャーター便による旅行商品造成の支援や各種団体が行う交流活動に対する支援、運航コストの軽減に向けた支援などにより、チャーター便の運航実績を積み重ねながら、定期路線の再開に向け粘り強く取り組んでまいる考えであります。    (教育長杉 昭重君登壇) ◎教育長(杉昭重君) お答えいたします。 教員採用選考試験につきましては、教員の年齢構成のバランスや適正な人事配置等を考慮して年齢制限を設けているところでありますが、民間企業等勤務経験者など幅広い人材を採用する観点から、年齢の見直しを行い、45歳まで段階的に引き上げてきたところであります。 県教育委員会といたしましては、今後とも必要に応じて教員採用選考試験の改善を図り、優秀な人材の確保に努めてまいる考えであります。 次に、タブレット型端末の授業への活用につきましては、個別学習の場面やわかりやすい授業の展開などにおいて、その効果が期待されている一方で、児童生徒が活用できる教材の開発、情報セキュリティーなどについて課題もあるものと認識しております。 県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会がその導入に当たって適切な判断ができるよう、新地町など先行して取り組んでいる学校の研究成果や学校教育へのタブレット型端末活用に係る国の動向などについて引き続き情報提供してまいる考えであります。 次に、教職員の人事権を市町村教育委員会へ移譲することにつきましては、本県の場合、広い県土を有し、多くの中山間地等が存在する中で、都市部へ人材が集中することが予想され、市町村間で教育水準に格差が生じることが懸念されるところであります。 県教育委員会といたしましては、人事権を移譲するに当たっては、広域の人事交流が可能となるシステムを構築するほか、任命権や給与負担など総合的に検討する必要があると考えており、今後とも国の動向や県内市町村の意向を十分に踏まえ、慎重に対応してまいります。 次に、県立学校の民間人校長の登用につきましては、これまで企業での経験を積んだ2名を採用したところであります。 県教育委員会といたしましては、この採用を契機として取り入れた、いわゆる民間の組織マネジメントの発想等を学校経営に活用しているところであり、今後の民間人校長の登用につきましては、慎重に検討してまいる考えであります。 次に、サテライト校の今後につきましては、来年度の生徒募集においては、生徒の進路希望調査の結果を踏まえて進学希望者を適正に受け入れることとしたところであります。 その後の生徒募集につきましては、避難区域等の復興状況や生徒の志願動向等を踏まえ、地元市町村や関係機関と連携しながら検討してまいる考えであります。 ○副議長(斎藤勝利君) これをもって、本田朋君の質問を終わります。 通告により発言を許します。38番宮川えみ子君。(拍手)    (38番宮川えみ子君登壇) ◆38番(宮川えみ子君) 宮川えみ子です。日本共産党県議団を代表して質問いたします。 3月1日、高校の卒業式に出席しました。5人の避難者の生徒を受け入れているとのことでしたが、地震の被害でプレハブ校舎でしたが、明るく爽やかな卒業式でした。大震災、原発事故を克服して進んでいく時代に生きる若者に大きな声援を送りました。 去る2月28日、安倍首相は衆参両院の施政方針演説で、事故を引き起こした最大責任者としての反省もなく、原発再稼働を明言しました。広野、楢葉、富岡の各町長も一斉に強い怒りの声を上げました。改めて知事を先頭に、オール福島で福島原発全基廃炉を国と東電に呼びかけるものです。 最初に、補正予算について質問します。 2012年度の一般会計補正予算は、歳入歳出では、増額分が900億円で、減額分が1,200億円、差し引き316億4,300万円の減額です。これで本年度予算の累計は1兆8,016億円となり、大震災後2年連続の大幅減額補正です。 増額の方は、国の緊急経済対策の対応で、避難地域における営農再開支援、(仮称)環境創造センター整備、雇用創出、中小企業等のグループ支援、橋梁、トンネル等の安全点検や防災対策です。一方、減額は復旧・復興事業における事業の見直しなど、防災緑地、復興公営住宅、除染、被災者支援などの各事業です。 公共事業のおくれが減額補正の理由の1つと言いますが、復旧・復興を急いでほしいという県民の立場から見れば納得がいかないと思います。公共事業予算の主な減額の理由と対応についてお示しください。 今後、国の公共事業の拡大政策と復興事業と同時進行になり、新年度予算はこのことが一層深刻になります。公共事業の入札不調問題が心配されますが、資材や人件費の値上げなどにどのように対応するのでしょうか。 また、公共事業の円滑な執行と品質確保に向け、どのように取り組む考えなのか伺います。 災害関連の予算のうち、災害救助費については約200億円減額することになりました。内訳は、生活環境部では、全国各地に避難している方の借り上げ住宅支援の請求分が各都道府県を通して福島県に来ますが、見積額より68億円の減、市町村から上がってくる住宅応急修理費の工事費分が22億円減額で、理由は災害の規模が大きいいわき市などで工事が終了しなかったことなどによるものです。 土木部では、応急仮設住宅の建設が予定の1,000戸から700戸になったことで12億円減、同じくその改善、補修などの費用が少なかった分52億円減、民間借り上げ住宅支援費の平均単価分が安くなった分46億円減としています。 しかし、借り上げ住宅支援や応急仮設住宅支援は本当に県民の立場で執行されたのでしょうか。県内自主避難者に妊婦、子供を持った方の借り上げ住宅支援を行ったことは県の一歩前進とはいえ、限定しないでの支援、同一市町村内の避難も認めてほしいなどの要望が寄せられています。 県内自主避難者への借り上げ住宅支援について、減額しようとしている災害救助費により、支援がされていない世帯の要望に応えるべきと思いますが伺います。 また、応急仮設住宅の改善要望についてですが、どのように水平展開をして聞き取っているのでしょうか伺います。 次に、避難者支援についてです。 2月8日、双葉地方町村区長会からの要望を受け取り、懇談をしました。原発事故による避難住民への支援について、追加被曝線量を正確に知りたい、詳細なモニタリングを提示してもらいたい、インフラの整備、放射線量の低減策、医療・商業施設整備、就労の場、帰還できるまでの避難先での支援、再取得可能な財物賠償と生活できるまでの賠償などの要望内容です。長引く避難での不安や絶望感を訴えられました。いただいた名刺に大きく「避難民の不安解消」と書いてありました。 2年たっての避難者の現状は約15万4,000人で、そのうち県外へは約5万7,000人です。県内人口の1割近い方々がいまだに避難生活を送っています。多くの人が家族ばらばらの避難で、展望の持てない生活を余儀なくされています。 仮設住宅に要望をお聞きしに行ったら、若い人が「特にないです。」と無表情に言う一方、ある女性は「みんなの目が気になるので、スーパーではまとめ買いをするんです。」と言ってますが、一方「賠償金をもらうから、あんなに買うんだ。」という心ない中傷をする人もいます。避難の子供を受け入れている学校の校長は、差別と偏見の話の中で、「隣の県に転校して行った子がいる。」と言いました。 避難者を受け入れている市町村は、挙げて受け入れ対応を行っていますが、未曾有の大震災の中で、住宅、医療や介護対応不足、道路事情悪化など受け入れによる問題はふえています。加えて、情報不足の中で、避難者のごみ収集、学校や福祉の費用も受け入れ側の自分たちの税金で賄っていると誤解している人もおります。 避難住民と避難先住民とのあつれきをどのように認識し、交流促進にどのように取り組んでいくのか、県の考えを伺います。 避難者の多くは、現状が変わらないのにさまざまな支援制度が打ち切られてしまうのではないかという不安があります。2013年度予算案にはとりあえず1年間の延期が盛り込まれましたが、避難指示を解除された地区も含め、2014年3月以降も警戒区域等の医療費免除継続を国に求めること、また、借り上げ住宅支援や高速道路の無料化措置を次年度以降も継続するよう国に求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。 避難者にとって常磐自動車道の早期開通は欠くことのできない要望ですが、開通の見込みについて伺います。 放送人権委員会の東北地区意見交換会に出席した方が「内容が圧倒的に津波被害の問題に集中していた。原発問題に対する認識が他県のメディアにはないようだ。」と言っていました。東北でさえこのような状況です。東京の霞が関はもちろん、全国的にも風化し、風化させられていることに大きな不安を持ちます。県は避難者の生の声を聞き、その声を本県の実情として国に伝えていくべきと思いますが、どのように考えているか伺います。 去る2月11日、県議団で、原発避難地域の中でも困難をきわめている双葉町の県外避難者と役場のある埼玉県加須市旧騎西高校に、2度目ですが、1年ぶりに行ってきました。今、双葉町民は6,950人で、現在はそのうち福島県内に54%、県外には埼玉県を中心に46%で、旧騎西高校には137人が避難しております。 校舎内での懇談会では、要望が次々に出されました。被災してから1年11カ月、精神的にも肉体的にも限界のようでした。特に「5階建ての建物は高齢者にとってきついし、手洗いの戸もあけられない。」「ほかに行くところがないが、いつまでいられるのか。」「4人の孫とばらばらになった。」「原発はもうたくさん。」「高速道路の無料化はぜひ継続を。」などなど尽きることのない要望でした。 この旧騎西高校には、97歳を含め3人の90代の方が元気で頑張っておられます。高校生も2人いるといいます。住民の半分が県外避難という特別な状況に置かれている双葉町民の現状をどのように捉え、支援していくのか伺います。 埼玉県加須市旧騎西高校から近隣の民間住宅に入居する場合、国は賠償でとの方向と聞きます。当然借り上げ住宅として支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。 原発事故は、さまざまな警告を無視し、安全神話に浸ってやるべきことをやらなかった結果引き起こされたものであり、知事が人災と認めたことは当然です。今回の事故の責任は全て国と東電にあり、国はあらゆる手だてを尽くして事故対応に責任を持たなければなりません。 原発事故は、異質の危険を持っており、ひとたび放射性物質が大量に放出されると、その被害が空間的にも時間的にも社会的にも限定なしに広がり、今そのことが現実となって私たちに覆いかぶさってきており、従来の災害救助法の枠組みではもちろん、現行制度や現行法では対応できない事態となっています。 避難が長期化するにつれて、避難者の置かれている現状は精神的にも肉体的にも厳しさを増していますが、避難者の現状についてどのように認識し、現在の制度では支援を受けられない避難者に対して、国に対応を求めることも含めて、どのような支援を行っていくのか、知事の考えを伺います。 次に、復興住宅のあり方等についてです。 地震・津波対応の住宅建設は少しずつ進んでいますが、原発避難対応の災害公営住宅はなかなか進まない現状です。放射能の問題で戻れるか戻れないか、どこに住むのかなど難しい課題があります。 復興公営住宅についてですが、県の災害公営住宅の整備方針は、決定済みが会津若松市90戸、郡山市が160戸、いわき市が250戸の計500戸で、新規では設置場所が未定で1,000戸です。県が代行して行う復興公営住宅は、市町村は未定ですが、500戸で、計2,000戸です。 具体的な整備戸数や整備箇所については、現在進めている県民意向調査の結果をもとに進めるといいますが、いわき市に最初に整備する250戸の県営の復興公営住宅はいつ入居できるのでしょうか、お示しください。 復興公営住宅について、希望者全員が入居できるのかお示しください。 多くの入居者がなれないところに住むわけですが、生活の利便性に配慮されているのかお示しください。 県営復興住宅は、高齢者にどのように配慮して整備するのか伺います。 早期建設が望まれますが、一方では将来を見通しての対応も重要です。また、地域経済の活性化や将来の再利用、維持管理なども考えなければならないと思います。県営の復興公営住宅は木造でも整備すべきと思いますがいかがでしょうか伺います。 応急仮設住宅の入居期間を少なくとも4年に延ばすという報道がありました。応急仮設住宅ですから、長期化すればさらなる補修や改善が必要になるのは当然です。応急仮設住宅の入居期間が長期化することに伴い生じる住宅の補修について、どのように対応していくのか伺います。 災害救助法には、一部損壊住宅に対する支援策がありません。しかし、多額の修理費がかかる例も多いのです。一部損壊住宅にも利用できる住宅リフォーム支援制度を創設すべきと思いますが、県はどのように考えているのか伺います。 避難者が災害公営住宅に入居したときの家賃が東京電力の損害賠償の対象になるとの認識を経済産業大臣が示しました。そうであれば、県が家賃分を肩がわりし、東電に賠償をすべきではないでしょうか。県営の復興公営住宅の家賃については、入居者に負担を求めるべきではないと思いますがいかがでしょうか。 次に、産業・雇用創出等についてです。 共産党が国会で提起した経済財政政策が注目を集めています。2月12日の衆議院予算委員会で、長引くデフレ脱却には国民の暮らし支援、特に労働者支援が重要で、労働者の賃金がここ20年間減り続け、年間平均70万円も下がっていること、逆に大企業にはたまり続けて260兆円にもなった内部留保金があること、この一部を取り崩して労働者の賃金引き上げを図るべきとしました。内部留保金のたった1%を取り崩すだけで1人1万円の賃上げができる企業が8割もあるという試算です。 大企業のため込み過ぎがデフレ不況の元凶だという見方は、立場を超えて広がっています。富士通総研の根津利光氏も「内部留保をずばり賃上げに回せ。」と言っていますし、同総研のホームページでも「仮に10兆円を回しても企業経営に全く影響しない。」と言っています。安倍首相もこのような指摘を受け、経団連に一時金などの引き上げをお願いしたようですが、賃金そのものの引き上げをしっかり求めるべきです。 また、産業界は発想を切りかえ、賃金を起点にして景気の好循環を引き起こす方向にかじを切るべきです。そして、何よりも若い人の雇用を安定させ、結婚や子育てができる雇用環境を実現すべきです。 県内の高校生の来年度の就職内定率が昨年比で上がっているとはいえ、大学生は全国平均ですが、卒業しても正規の職につかない人は23%、修士課程修了者でも18%です。このような働かせ方で日本経済が発展するはずがありません。経済の動向は、福島県の復旧・復興支援に直結するものです。正規雇用が当たり前の社会にしなければなりません。労働者の賃上げが景気回復のかなめと思いますが、県内企業に対し要請すべきと思いますが伺います。 大企業中心の公共事業をふやして景気回復を推進するという安倍内閣の方針ですが、このやり方はこれまでも指摘してきたように効果が薄く、借金を増大させるだけです。公共事業は、地元密着型、地域循環型の推進が重要です。その1つとして、おくれている市町村立小中学校の耐震化をどのように進めようとしているのかお示しください。 中小企業等グループ施設等復旧整備補助金についてです。この制度は、費用の4分の3の支援があるので、支援を受けられた企業は本当に助かった、またこの制度があって再建をしようという気になったなど喜ばれています。 中小企業の再建が雇用でもまちの活性化でも大きな役割を果たしています。新年度は津波と原発被災地での限定の支援といいますが、まだまだ地震対応を含めた全県的な支援が必要です。県内全域でのニーズをどのように見込んでいますか。 また、警戒区域等のニーズをどのように見込んでいるのか伺います。 原発震災は、住民の避難先が定まらないなど、再開立地を決められない企業も多く、長期的支援が必要です。警戒区域等における補助金を継続するよう国に求めるべきですがいかがでしょうか。 また、新年度も対象区域を県内全域とするよう国に求めるべきと思いますが、県はどのように考えていますか。 警戒区域等にあっては、要件の柔軟な取り扱いを国に求めるべきと思いますが伺います。 この制度のこれまでの利用状況は、岩手県が646億円、63グループ、宮城県が2,041億円、133グループ、福島県が659億円、164グループとなっています。原発被害がある福島県での利用が少ないようですが、どのようなことが原因と見ていますか。 警戒区域等における利用促進について伺います。 さて、大震災後深刻さを増している医療・福祉分野ですが、今ここに焦点を当て、雇用に結びつける発想の転換が図られるべきと思います。企業誘致そのものも積極的に行うことは必要と思いますが、そこに多額のお金をつぎ込むことに疑問と不安を感じます。 補助金を利用したある企業に7億円の補助を行いましたが、雇用は10人の純増だけでした。製造業関係は、いかにして人を減らし、合理化するかを目標にしているわけですから、雇用拡大するどころか、リストラをしたり非正規雇用に置きかえたりしてきております。 一昨年、ふくしま産業復興企業立地補助金を上限200億円まで引き上げました。ふくしま産業復興企業立地補助金の指定状況について、大企業、中小企業別の企業数、件数、補助予定額及び新規雇用予定人数を伺います。 劣悪な介護職員の待遇改善を行い、直接支援をしたら10倍以上の雇用につながるのではないでしょうか。知事は、福祉・介護事業所の深刻な人材不足の解消を図るために、事業者による自主的な人材確保や育成活動、特に浜通りにおいて中核となる介護職員の確保を支援するといいます。どのような施策を行うのでしょうか。 その施策によってどの程度の人材不足の解消を図ろうとしているのでしょうか。その目標について伺います。 働く人を直接支援してこそ人材不足の解消は促進されると思いますが、伺います。 中小企業金融円滑化法が切れることについてです。 この円滑化法は、中小企業や住宅ローン利用者が返済猶予や金利引き下げなど貸付条件の変更を申し出た場合、金融機関が応じるよう努力することを定めた法律です。リーマン・ショック後の急激な景気後退で資金繰りが悪化した中小企業、収入が減った住宅ローン利用者に対し、貸しはがし、貸し渋りをしないように2009年12月につくられましたが、今年3月末で期限が切れます。 政府は、金融機関の対応は変わらないと言いますが、法律が定めていた報告、公表の義務はなくなり、政府と金融機関の責任は後退します。 金融円滑化法が倒産を先送りしているというような批判がありますが、中小企業の返済を困難にしているのはモラルハザードの欠如ではなく、長期化するデフレ不況に原因があります。苦境にある中小企業を支援するために継続と中小企業に対する抜本的支援策の強化を求めるものです。金融円滑化法の期限切れにより、中小企業への影響を懸念しますが、県の対応をお示しください。 国に期限延長を求めるべきと思いますが伺います。 漁業問題について伺います。 大震災、原発事故から2年、いまだに漁業は自粛を強いられています。昨年6月にようやく相馬地区において試験操業が始まり、また、試験操業の海域や魚種の拡大も図られるところですが、全面的な再開がいつになるか見通しは立っていません。原発の汚染水の放出を許さず、あらゆる対策を講じながら再開の準備を行っていく必要があります。再開の準備での漁業者からの最大の要望は、魚介類の放射線測定で消費者に安全・安心なものを提供できる体制です。 そこで、魚介類の放射性物質濃度を迅速に測定できる機器の開発状況について伺います。 また、魚介類の放射性物質の検査員を増員する必要があると思いますがいかがでしょうか。 また、沿岸漁業再開に向けた課題について県はどのように捉えているのか伺います。 次は、再生可能エネルギーと環境問題についてです。 県は、去る2月に策定した再生可能エネルギー先駆けの地アクションプランにおいて、福島県再生可能エネルギー推進ビジョンで掲げた2040年ごろをめどに県内のエネルギー需要の100%に相当する再生可能エネルギーを生み出すとしました。そのために関連産業の集積を加速する、福島県を名実ともに再生可能エネルギーの先駆けの地にすると発表しました。 また、2020年度の導入目標40%に向かって、2015年の3年先までの計画を明らかにしております。その中では、再生可能エネルギー推進センターを設立して、地域主導型、県民参加型で進めるとしています。地域密着型で小規模な再生可能エネルギー施設が市民も参加しやすく、広がりも期待されるところですが、県は地域主導による再生可能エネルギーをどのように推進していくのか伺います。 さらに、再生可能エネルギー関連産業に関するネットワークの形成や人材育成をどのように進めていくのか伺います。 最後に、懸念される環境問題について伺います。 塙町のバイオマス発電についてですが、県は新年度、民有林18万3,000ヘクタールを対象に森林再生に向けて間伐作業を開始し、これにより産出される未利用材や製材工場残材を燃料とする木質バイオマス発電施設を設置する塙町を支援するとしています。発電の出力は1万2,000キロワット、総事業費が約60億円で、県は国からの交付金で造成した基金を財源とし、業者に対し2分の1の約30億円を補助するとしています。 一方では、放射線量の高い地域の木材も持ち込まれるのではないかとの住民からの不安の声もあります。県は、塙町における木質バイオマス発電施設の導入についてどのように考えているのか、また、県は塙町の木質バイオマス発電計画について、放射能に関する地元説明にどのように取り組んでいくのかお示しください。 鮫川村の焼却実証試験施設についてです。これは、環境省と鮫川村で進めているもので、鮫川村の農林副産物の焼却実証実験施設です。 去る2月14日、環境省が鮫川村に隣接するいわき市で開いた説明会によると、さまざまな疑問や問題が出されました。農業用稲わら等、指定廃棄物を含んだ副産物を焼却する施設とのことですが、放射能の常時監視体制がない、総量処理が600トンで、鮫川村にある分の処理だけというが、他から持ち込まれるのではないか、時間当たり199キロの処理というが、生活環境アセスや許可が必要となる時間当たり200キロ処理ぎりぎりの線ですり合わせたことなど、安全性の問題では説明不足と思われます。 放射性物質に汚染された廃棄物処理の安全性の問題について、施設近隣住民や隣接する市町村に対する説明を十分に行うよう国に求めるべきと思いますが伺います。 以上で私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(斎藤勝利君) この際、時間を延長いたします。 執行部の答弁を求めます。    (知事佐藤雄平君登壇) ◎知事(佐藤雄平君) 宮川議員の質問にお答えいたします。 避難者の現状につきましては、東日本大震災から間もなく2年を迎える中、県内外へ避難している多くの県民は、なれない環境のもとでさまざまな不安や苦労を抱えながら厳しい生活を送っております。 このため、避難者が避難先で安心して生活をし、また、帰還に向けてふるさととのきずなを保てるよう、被災者の心のケア、見守り活動、ふるさと情報の提供、避難者支援を行う団体への支援等に取り組んでいるところであります。 今後は、避難生活が長期化する中で、避難者1人1人の実態に応じたきめ細かな支援に努めるとともに、災害救助法による応急仮設住宅の供与期間のさらなる延長、子ども・被災者支援法における高速道路の無料化や健康管理の充実を初めとする本県の実情を踏まえた支援施策の実現を国に強く働きかけるなど、避難者支援の充実に取り組み、県の総力を挙げて復旧・復興を進めてまいる考えであります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。    (企画調整部長野崎洋一君登壇) ◎企画調整部長(野崎洋一君) お答えいたします。 地域主導の再生可能エネルギーにつきましては、県内の企業、団体等が事業主体となり、地域に利益が還元されることが重要であると認識しております。 そのため、県といたしましては、再生可能エネルギー推進センターを通じて、事業化を推進する人材の育成、金融・法務等の専門家派遣による事業計画の作成支援などに取り組み、地域が主体となった事業の立ち上げを支援してまいります。    (生活環境部長長谷川哲也君登壇) ◎生活環境部長(長谷川哲也君) お答えいたします。 放射性物質に汚染された廃棄物処理につきましては、仮設焼却施設の設置に当たっては住民理解は不可欠であり、引き続き設置主体の国には、施設近隣住民や関係自治体に対して、施設の必要性や処理の安全性、環境放射線モニタリングの実施等について丁寧な説明を行うよう求めてまいります。    (保健福祉部長菅野裕之君登壇) ◎保健福祉部長(菅野裕之君) お答えいたします。 警戒区域等の医療費免除につきましては、これまでも国に強く要望してきたところであり、引き続き要望してまいりたいと考えております。 次に、福祉・介護事業所の人材不足の解消につきましては、新年度において、事業所が行う介護の資格取得研修を通じた人材の確保や県内外への求人活動等に対する支援を行うとともに、人材不足が特に深刻な浜通り地方については、新たに就労する介護職員の雇用に必要な経費の一部を助成するなど、福祉・介護人材の育成・確保のための施策を総合的に展開してまいる考えであります。 次に、人材不足解消の目標につきましては、新年度において1,000人程度を目標に人材確保を図ってまいる考えであります。 次に、福祉・介護事業所で働く人への直接支援につきましては、現在、介護職員処遇改善加算により賃金の改善を図っているところであり、さらに、新年度においては浜通り地方における取り組みとして、新たに就労する介護職員に必要な手当の一部を助成するなど処遇の改善を図り、人材不足の解消に努めてまいる考えであります。    (商工労働部長伊東正晃君登壇) ◎商工労働部長(伊東正晃君) お答えいたします。 労働者の賃上げにつきましては、県内の各企業が復興に向け取り組んでいる中、今後の景気の動向や業績などを考慮しながら、労使間の協議により決定されるものと考えております。 次に、中小企業等グループ補助金につきましては、これまで164グループ、2,000を超える事業者に対して約660億円の交付決定を行っております。 本年2月中旬までの募集においては、申請グループの大半を認定しており、要望のあったグループについてはおおむね対応できていると考えております。 次に、警戒区域等の事業者を対象とした中小企業等グループ補助金につきましては、申請のあった24グループ全てを認定したところです。 警戒区域等の事業者には、先が見通せない状況により事業再開に踏み切れない事業者や、グループ編成が困難でありいまだ補助申請に至らない事業者が多いと考えております。 次に、中小企業等グループ補助金の継続につきましては、今後も津波浸水区域や警戒区域等の事業者からの申請が見込まれることから、これまで機会あるごとに要望しており、新年度も警戒区域等での継続が予定されておりますが、引き続き国に対して長期的支援を求めてまいります。 次に、新年度も中小企業等グループ補助金の対象を県内全域とすることにつきましては、これまで重ねて要望してまいりましたが、実現には至りませんでした。 この状況を受け、国との協議を経て県内全域を対象とする最後の募集を実施することとし、関係団体に対してその旨を事前に周知した上で、去る2月1日から15日まで申請を受け付けたところであります。 次に、警戒区域等における中小企業等グループ補助金要件の柔軟な取り扱いにつきましては、対象地域を警戒区域等に限定した募集において補助対象範囲を拡大して実施したところであり、申請のあった全てのグループを採択いたしました。 今後も、柔軟な取り扱いを国に求め、警戒区域等の事業者の事業再開を促進してまいります。 次に、中小企業等グループ補助金の利用につきましては、補助金額において本県は宮城県に次いで2番目となっておりますが、これは地震、津波による被災額の大きさの違いに加え、警戒区域等の多くの事業者が事業再開できず、補助金を利用できないことによるものと考えております。 なお、補助対象グループ数においては、本県が最多であり、広く県内中小企業等の復旧支援に努めているところであります。 次に、中小企業等グループ補助金の利用促進につきましては、これまで警戒区域等の事業者に対して避難者向け広報誌等により制度を周知したほか、市町村ごとに説明会を開き、多くの事業者から個別相談を受け、採択に向けたさまざまな助言を行うなど、利用の拡大を図ってまいりました。 今後も、市町村や関係商工団体と緊密に連携してきめ細かな支援に努め、警戒区域等の事業者による補助金の利用を促進してまいります。 次に、企業立地補助金の指定状況につきましては、企業数では大企業が45社、中小企業が240社、件数では大企業が48件、中小企業が243件、補助予定額では大企業が805億円、中小企業が1,056億円、新規雇用予定人数では大企業が1,232人、中小企業が2,796人となっております。 次に、中小企業金融円滑化法の期限切れを踏まえた県の対応につきましては、金融機関等が参画した中小企業支援ネットワーク会議を活用して関係機関との連携強化を図るほか、期限到来後も円滑な資金供給の促進や経営支援の強化等に取り組むよう金融機関等に対し引き続き要請するなど、今後とも県内中小企業の経営環境に十分配慮した金融支援に努めてまいります。 次に、中小企業金融円滑化法の期限延長につきましては、昨年8月に全国知事会を通じて、また、8月と11月には北海道東北地方知事会を通じて、国に対し、同法の延長または失効した場合の支援施策の推進について要望をしております。 次に、再生可能エネルギー関連産業につきましては、県内企業など約400団体で構成する研究会において、会員間の情報共有や発信等を行うことを通じて産学官のネットワーク形成を図るとともに、大学、専修学校やテクノアカデミー等において太陽光発電等の関連技術者を養成するなどにより、産業集積に必要な連携体制の構築や人材育成に取り組んでまいる考えであります。    (農林水産部長畠 利行君登壇) ◎農林水産部長(畠利行君) お答えいたします。 魚介類の放射性物質を迅速に測定できる機器の開発状況につきましては、現在把握しているところでは、9社の検査機器開発メーカーが研究に取り組んでおります。 このうち4社が県漁連から測定用の各種検体の提供を受けて放射性物質濃度のデータを収集し、ゲルマニウム半導体検出器による検査結果と比較検討するなど、実用化に向けた取り組みを行っております。 次に、魚介類の放射性物質の検査員につきましては、これまで漁協職員を対象に講習会を開催し、検体の作成方法や機器操作など検査技術の向上を図ってきたところです。 今後は、試験操業対象魚種拡大等に対応するため、県漁連、漁協と連携しながら、検査技術を有する漁協職員等検査員の増員を図ってまいる考えであります。 次に、沿岸漁業の再開につきましては、現在、海産魚介類41種が国から出荷制限の指示を受けている状況にあり、さらに、魚種や漁場によって放射性物質濃度にばらつきがあること、海底土壌が汚染されていることなどが課題となっております。 このため、県といたしましては、今後とも継続して放射性物質モニタリング調査を実施するとともに、国及び大学等と連携し、放射性物質濃度の低い魚種や漁場を慎重に確認しながら、試験操業の拡大や出荷制限の解除に向けて全力で取り組んでまいる考えであります。 次に、塙町における木質バイオマス発電施設につきましては、県内有数の林業地帯において、木材の需要拡大や未利用間伐材などの有効活用を実現するものであり、地域木材産業の活性化につながるものと考えております。 さらに、森林整備活動による雇用の創出や再生可能エネルギーの推進にも結びつく極めて重要な取り組みであることから、積極的に木質バイオマス発電施設の整備支援に努めてまいる考えであります。 次に、木質バイオマス発電計画に関する地元説明につきましては、これまでも塙町とともに地域住民など地元関係者を対象に行ってきたところであります。 本計画は、地域産業の振興につながり、適切な放射性物質の管理のもとに発電事業が行われるものであることから、引き続き住民理解が得られるよう、塙町との緊密な連携を図りながら丁寧な説明に努めてまいる考えであります。    (土木部長渡辺宏喜君登壇) ◎土木部長(渡辺宏喜君) お答えいたします。 公共事業予算につきましては、防災緑地や復興公営住宅等について、関係市町等との協議調整や事業計画の見直し等により所要の減額を行うものであります。 今後とも、被災地の1日も早い復旧・復興を図るため、計画的に予算の確保に努め、着実に事業を推進してまいる考えであります。 次に、資材や人件費の値上げへの対応につきましては、資材単価は毎月主要資材の実勢価格を確認した上で見直しを行っており、今後とも速やかな改定に努めてまいります。 また、人件費は国が設計労務単価を決定していることから、県独自の単価動向調査を踏まえ、実勢価格を反映した見直しを行うよう引き続き国に要請してまいります。 次に、公共事業の執行と品質確保につきましては、任期付職員等の増員による人員の確保や職員に対する専門研修の充実、監督業務を補完する外部委託の活用、積算業務の改善等により、執行体制の強化と現場管理の徹底を図ってまいりたいと考えております。 次に、応急仮設住宅の改善要望につきましては、追いだき機能の追加等、国から通知のあった工事の内容については、全ての市町村に周知した上で、市町村を通して各入居者からの要望を聞いて対応しております。 また、その他の改善工事につきましては、各入居者からの要望に基づき、個別に判断して対応しております。 次に、常磐自動車道につきましては、昨年8月末に東日本高速道路株式会社が、広野から常磐富岡間は平成25年度内に、浪江から南相馬間は平成26年度内に、常磐富岡から浪江間は平成26年度から大きくおくれない時期に開通を目指すと公表したところであります。 県といたしましては、浜通りの早期復興に向け、引き続き国等関係機関に対し1日も早い開通を要望してまいります。 次に、いわき市に最初に整備する県営の復興公営住宅につきましては、平成26年度の早い時期での入居を目指しておりますが、1日も早く入居できるよう整備を進めてまいる考えであります。 次に、県営の復興公営住宅における高齢者に対する配慮につきましては、ふくしま公共施設等ユニバーサルデザイン指針や福島県県営住宅等条例に基づき、段差の解消、通路幅の確保、手すりの設置やエレベーターの整備を図るとともに、必要に応じて緊急時警報装置を設置することとしております。 次に、木造での整備につきましては、平成25年度当初予算において、一部木造を想定し、用地取得・造成費、測量試験費を計上しているところであり、今後、関係市町村からの意見を聞いて整備箇所や用地の状況を判断し、構造を決定してまいる考えであります。 次に、応急仮設住宅の補修につきましては、今後点検を実施し、長期化に伴い生じる補修が必要な箇所については、市町村と連携して迅速に対応してまいる考えであります。 次に、住宅リフォームにつきましては、住宅の耐震性能の向上や省エネルギー対策等を目的として、国においては、住宅リフォーム減税や助成制度などを、また、県においては、木造住宅耐震診断補助や金融機関との協定による金利優遇制度などの助成・支援制度を既に設けているところであります。 これらの制度については、住宅の被災の程度にかかわらず、リフォーム部分を対象に利用できることから、今後とも市町村と連携して制度の普及啓発に努めてまいる考えであります。 次に、復興公営住宅の家賃につきましては、入居者の所得に応じて公営住宅法に基づき決定されることとなりますが、避難を余儀なくされている世帯の生活の状況を勘案し、負担の低減について関係機関とともに検討してまいる考えであります。    (原子力損害対策担当理事鈴木淳一君登壇) ◎原子力損害対策担当理事(鈴木淳一君) お答えいたします。 県内自主避難者への借り上げ住宅支援につきましては、発災から長期間経過し、国も十分には了解していない中で、優先して救済すべき世帯を対象としたところであり、対象世帯を拡大して実施することについては困難であると考えております。 次に、避難者と避難先住民とのあつれきにつきましては、避難者はなれない環境の中で不安を抱えながら生活している一方、避難先においては、人口増に伴う住民生活へのさまざまな影響が発生し、避難先住民との間に複雑な感情が生じているものと認識しております。 県といたしましては、避難元及び避難先市町村を初め関係部局と連携しながら交流会を開催するなど、避難者と地域住民との融和が図れるよう効果的な支援に取り組んでまいる考えであります。 次に、借り上げ住宅の支援や高速道路の無料化措置につきましては、これまで国に対し、民間借り上げ住宅を含む応急仮設住宅の供与期間の延長を初め警戒区域等からの避難者に対する高速道路の無料化措置の延長、警戒区域等以外からの避難者への無料化措置の拡大について、関係自治体とも連携して再三にわたり要望を行ってきたところであります。 避難が長期化し、避難者の置かれている厳しい現状を踏まえ、引き続きあらゆる機会を通して国に強く働きかけてまいる考えであります。 次に、避難者の生の声を聞き、本県の実情を国に伝えていくことにつきましては、避難先において実施している交流会や相談会、さらには駐在職員のさまざまな活動を通し、避難者から直接話を聞くとともに、避難元及び避難先自治体や避難者支援を行う民間団体等を通じて、避難者が抱える課題、要望等の把握に努めているところであります。 避難者は、今なお厳しい環境のもとで不安を抱えながら生活を送っていることから、県といたしましては、その実情が十分伝わるよう継続して国に訴えていくとともに、避難者に寄り添ったきめ細かな支援に取り組んでまいる考えであります。 次に、双葉町民の現状につきましては、多くの町民が県外へ避難し、安定的な行政サービスや住民同士の交流などが課題となっており、厳しい状況にあるものと認識しております。 このため、県といたしましては、きめ細かな情報の提供を初め生活相談や見守り支援、交流の場の提供など、避難先で安心して暮らし、ふるさととのつながりを維持できるよう努めてまいる考えであります。 次に、埼玉県旧騎西高校につきましては、当該避難所が一時避難所であることから、避難者が近隣の民間住宅への転居を希望する場合、災害救助法による借り上げ住宅として支援できるよう、引き続き国に働きかけてまいる考えであります。    (避難地域復興局長八木卓造君登壇) ◎避難地域復興局長(八木卓造君) お答えいたします。 復興公営住宅につきましては、原発事故による避難指示により避難されている方々が入居対象となります。 県といたしましては、住民意向調査の結果をもとに関係自治体と協議しながら、順次建設を進め、希望される方が1日も早く入居できるよう丁寧に調整してまいる考えであります。 次に、生活の利便性につきましては、住民間のコミュニティーの維持や商業施設、病院、学校等との近接性に配慮するとともに、通院・通学等における交通手段の確保など、安心した生活を送るためのソフト対策を含めた居住環境の整備を図り、入居される方々が日常生活において不便を感じることがないよう配慮してまいります。    (教育長杉 昭重君登壇) ◎教育長(杉昭重君) お答えいたします。 市町村立小中学校の耐震化につきましては、災害復旧事業の活用のほか、国庫補助率のかさ上げ措置が延長されたことや、地方財政措置の拡充により、実質的な地方負担が大きく軽減されたこと等を踏まえ、国庫補助事業の活用を促すなど、市町村が行う耐震化事業を積極的に支援してまいる考えであります。 ◆38番(宮川えみ子君) 再質問いたします。 知事に再質問いたします。 避難者の置かれている現状と支援、国に求めることですが、旧騎西高校では、85歳の女性が懇談会のときに駆け寄ってきて私を怒りました。「自分は原発ができる前から危険だと反対してきた。衣料品店を経営していたが、そのために不買運動までされた。それなのにこのありさまだ。病弱の息子とここの騎西高校にいるが、どこに行ったらいいかわからない。」と言います。 それから、避難してきている生徒を教えている教員から、アリーナ、親戚、県外、県内と7カ所を転々としてきていわき市に落ちついた。不登校になった。避難前は成績優秀だったけれども、7回転々とするたびに勉強がおくれて自信を失ってしまったようだ。先生は、部活動が午後あるので、お昼の時間を削ってお昼休みに勉強を教えている。家族ばらばらの避難が子供に厳しい影響を与えているようだ。 それから、30歳の2人の子供を持つ父親ですが、いわき市の北部から南部に避難してきた。漁業関係の仕事を失った。一緒に暮らしていた両親は戻ったが、子供が小さいために自分は戻れない。 県内自主避難者に対する住宅支援は、県は限定的ですが行いました。しかし、国は災害救助法対応についてはっきりしていません。賠償というような言い方もしていますね。 それから、旧騎西高校から近隣の民間住宅に入居する支援についても、県は対応する姿勢を今お話ししていただきましたけれども、これも国ははっきりしていないわけです。そういう意味においては、急いで求められていることがなかなか進まないわけです。 高齢者は、避難所や仮設住宅でその一生を終わるかもしれない状況です。子供は日々成長しています。この原発事故は挙げて国の責任ですから、厚労省だとか経産省だとかって言っているような問題ではないはずです。 子ども・被災者支援法では、救済しようとしても、基本方針すら決まっていないわけです。今話したような事例を今のような状況では対応できないわけです。ですから、避難者の支援を急いで促進させるために、やはり知事が積極的に国に言っていただくしかないわけです。 それで、どのような機会にどのように直接今後求めていくのか、再質問したいと思います。 それから、原子力損害対策担当理事ですが、一時避難所からの転居なので、旧騎西高校から近隣の民間住宅に入居したいという要望は当然だと思うのですけれども、これは国がはっきりしないんです。 それで、私どものところには電話がどんどん来るのです。転居できるのか、お金を出してもらえるのかと、こういうことですけれども、県の決断も含めて、あしたにでも入っていいのか、家賃を出していただけるのか、ぜひもう一度答弁をお願いします。 それから、土木部長に再質問します。 仮設住宅の水平展開の要望ですが、私ども県議団が今アンケート調査をやっていることでいろいろ来ています。「全ての部屋の仕切りがアコーディオンなので、下から冷気が入って寒い。全部とは言わないけど、一部でもドアつきの仕切りにしてもらえないか。」 それから、「二本松の雇用促進に入っているけれども、シャワーがない。」それから、「小さな仮設なので、談話室が狭くて何もできない。」こういう要望があるのです。 子供が生まれる予定なので、エアコンが欲しいとか、そういう点においては、一応市町村を通して要望を聞いたということですが、もう少し水平展開をやっていかないと、これから長期的に入居というのは非常に困難だと思うのです。 そこで、直接的な声を聞く、そのことについてもう少し答弁をお願いします。 ◎知事(佐藤雄平君) 宮川議員の再質問にお答えいたします。 避難者1人1人がそれぞれ避難先で安心して帰還に向けて取り組めるよう、本県の実情に応じた支援策が実施されるように、引き続き国にあらゆる機会を通じて求めてまいりたいと考えております。 ◎土木部長(渡辺宏喜君) 再質問にお答えしたいと存じます。 応急仮設住宅における改善等の水平展開についてでございます。 国からの通知があった工事内容については、市町村を通じて各入居者の方に要望を聞いているわけでございますが、避難生活の長期化に伴いまして、また新たな要望も予想されますので、避難者に寄り添ったきめ細かな対応に今後とも努めていきたいというふうに考えております。 ◎原子力損害対策担当理事(鈴木淳一君) 再質問にお答えいたします。 旧騎西高校から近隣の民間住宅への転居の件でございます。 県といたしましては、災害救助法による支援ができますよう最大限努力をして、早急に解決できるよう努めてまいりたいと思います。 ◆38番(宮川えみ子君) 再々質問いたします。 知事ですが、引き続き国にということですけれども、原子力事故で今の法律ではなかなか難しいという状況なので、そのことをなしにはもう本当にあらゆる問題が解決できないのです。 それで、やはりこれは知事が本当に頑張ってもらわなければならない話なので、具体的にどのような形で頑張っていただけるか、お願いしたいと思います。 それから、原子力損害対策担当理事ですが、早急にというのはなかなか日本語は難しいんです。あしたも早急なんですけれども、解釈によっては、1カ月たっても早急なのかなと思ったりして、そういう意味においては、早急にというのがいつなのかということを答弁を求めたいと思います。 それから、雇用問題ですが、保健福祉部長に再質問いたします。 介護職員不足問題でいろいろな施策を行うということで、本当に積極的にやっていただかないと、せっかくデイサービスに通っていたうちのおばあちゃん、避難してくる人が多くなって、週2日が1日にされてしまったとか、今まで全然入所できないとか、やっぱり遅い対応というのがあつれきの1つにもなってくるわけです。 そこで、この介護職員の不足問題は、来年度の予算を見ても3億円にも満たないぐらいですけれども、ふくしま産業復興企業立地補助金から比べると何百分の1の世界の予算です。ですから、直接雇用するのとそういう人たちを養成するという、1,000人分の養成ということとは質は違うと思うんですけれども、もう少し介護職員が実際に仕事につけるようにするには、体が大変だということと賃金が余りにも安いということです。ですから、やはりそこのところを解消するような支援をしないと、この1,000人といってもなかなか難しいと思うのです。 ですから、もう少し予算をちゃんととって、直接働く人が頑張ってみようかなと思うような支援が必要だと思うのですけれども、保健福祉部長に再質問をいたします。 以上です。 ◎知事(佐藤雄平君) 宮川議員の再々質問にお答えします。 避難生活が長期化する中で、避難者1人1人の実態に応じたきめ細かな支援に努めるとともに、子ども・被災者支援法における本県の実情を踏まえた支援策の実現を強く国に働きかけ、避難者の支援の充実に取り組んでまいります。 ◎保健福祉部長(菅野裕之君) 再質問にお答えいたします。 介護職員の処遇の改善は、直接的な処遇の改善が必要ではないかというおただしでございます。 先ほども御答弁申し上げましたように、介護職員の処遇改善ということで、1万5,000円のアップを現在継続して実施しているところで、さらに人材不足が大変深刻な浜通りにつきましては、新年度予算を現在お願いいたしておりまして、直接職員の方に届くような支度金とか住居手当の支援とか、そういったことを考えておりますので、計上した少ない予算ではありますが、精いっぱい頑張ってまいりたいと思います。 ◎原子力損害対策担当理事(鈴木淳一君) 近隣の民間住宅への転居につきまして再質問でございますが、救助法による支援について、早急な解決が図られますよう最大限取り組んでまいりたいと思います。 ○副議長(斎藤勝利君) これをもって、宮川えみ子君の質問を終わります。 本日は、以上をもって議事を終わります。 明3月5日は、定刻より会議を開きます。 議事日程は、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第91号までに対する質疑であります。 これをもって、散会いたします。    午後5時11分散会...